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「“ラウンドガール不要論”をどう思う?」人気ラウンドガール・来栖うさこに“グラドル界と格闘技”の関係を聞いてみた〈特別グラビア〉
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byShiro Miyake
posted2021/11/10 11:02
『KNOCK OUT』のラウンドガールを務める来栖うさこはDVDもリリースする人気グラビアアイドル
ラウンドガールは“プロの仕事”
華を添えるといえばいかにも簡単だ。しかしラウンドガールは当然ながら“プロの仕事”なのである。内面の葛藤も、大会の見どころを語る分析力もある。10月29日の後楽園ホール大会、試合前に彼女が注目選手として挙げたのはスーパーミドル級チャンピオンの松倉信太郎だった。
松倉は大会のセミファイナルに出場。メインは後輩の龍聖に譲った。デビュー8連勝中の龍聖はこの日、フェザー級王座決定戦に臨んでいる。大会ポスターも、龍聖を単独でフィーチャーしたもの。松倉はチャンピオンである自分の扱いへの不満を露わにしていた。
その鬱憤を試合でどうぶつけるかが見たいと来栖。結果、松倉は危険な距離での打ち合いから豪快なKO勝利を収め、大会の中で最高のインパクトを残したのだった。来栖の“見立て”が当たったわけだ。松倉は試合後「KNOCK OUTを体現できるのは僕しかいない」と3度目のRIZIN参戦をアピールしている。
来栖うさこを軸にした“ドラマ”
ラウンドガールは、少なくとも来栖うさこは至近距離からファイターたちの闘いに真剣に目を凝らしている。もしかすると、彼女の存在がマッチメイクに影響を与える可能性もある。
パンクラスでデビューし、今は全日本プロレスを主戦場とするプロレスラー、佐藤光留は以前から来栖のファンであることを公言している。撮影会やオフ会にも参加するほどで、来栖がKNOCK OUTのラウンドガールになったと聞いてすぐ参戦を決意した。彼のSNSにアップされる来栖の写真は、ほとんどが自分で撮影したものだそうだ。撮られた本人が言っていたのだから間違いない。
佐藤はプロレス、MMAだけでなく立ち技格闘技出場経験もある。打撃の練習にはさらに熱が入り、重量級は層が薄いから相手が見つかりにくいかもしれないと減量も。完全に本気である。現在はパンクラス、打撃格闘技UNBEATABLEで連続KO負け。ここから這い上がらなければならない。KNOCK OUTに出て勝利し、“推し”の来栖うさこからトロフィーをもらい記念撮影するために。繰り返すが佐藤はあくまで本気だ。
「UNBEATABLEの試合は会場にいたんですよ。いつも私のイベントに来てくださる方が試合をしている姿に感動しました。かっこよかったです。ヒカルさんが本当にKNOCK OUTに出て勝ったら、凄いドラマがありますよね。私もその時を楽しみにしてます」(来栖)
MMA世界最高峰のヌルマゴメドフには知る由もないが、日本のキックボクシングにはラウンドガールを軸にしたドラマも存在するのだ。
(撮影=三宅史郎)
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