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「箱根で“花の2区”を走る必要はない」五輪7位の最注目ランナー・三浦龍司(順大2年)へ、東京五輪陸上コーチが緊急提言
text by
岩水嘉孝Yoshitaka Iwamizu
photograph byJMPA
posted2021/11/06 17:01
2020年の全日本駅伝で1区を走る順天堂大の三浦龍司
長門監督に話を聞くと、普段の三浦選手の練習内容はこちらが驚くほどにシンプルなものでした。トレーニングについてはまだ取り組んでいないものがたくさんあり、それが彼の伸びしろになっていると思います。ただ何にでも手を出すのではなく、長門監督と本人が取捨選択し、いつ取り組むのかも含めて検討しているようなので、今後も焦らずに先を見据えてやって欲しいと思います。
箱根駅伝は間違いなく彼を中心に動くでしょう
そして来年度はぜひ国際大会に積極的に参加して欲しいと思います。オリンピックの決勝に残った選手はダイヤモンドリーグの常連であり、それぞれに相手の走力やレースパターンなどを知っています。そのうえで戦略を立て、競い合うのです。
今回の東京五輪では海外選手の情報を私が三浦選手に伝えましたが、やはり自分のイメージを持ち、それを踏まえたうえで様々な経験をしないことにはレース中に対応できません。大舞台で結果を出すためには準備が必要です。彼にとっての準備とは国際レースを積んでいき、様々なレースパターンと世界の選手の動向を知ること。そこにも今から目を向けて欲しいと思っています。
今回の箱根駅伝、三浦選手には気負わずに走って欲しいと思います。どの区間を走るかは分かりませんが、もし前回と同じ1区であれば間違いなく彼を中心に動くでしょう。そうした状況になれば走っていてとても面白いはずです。彼がいいコンディションで走ったら、例えばラスト5kmを13分台でまとめるなどして、すごい記録が出そうな気もしますが、結果を追い求めることなく楽しんで走ることが何より大切です。それが好結果を生むと思いますし、3000m障害で世界を目指す三浦選手にとって最適な箱根駅伝への臨み方ではないかと私は思います。(構成/加藤康博)
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