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ディープでも、オグリでもなく…武豊を驚かせた“表紙を飾る馬”の名前「実は、サイレンススズカにしようと思っているんです」 

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寺島史彦(Number編集部)

寺島史彦(Number編集部)Fumihiko Terashima

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photograph bySankei Shimbun

posted2021/10/30 17:04

ディープでも、オグリでもなく…武豊を驚かせた“表紙を飾る馬”の名前「実は、サイレンススズカにしようと思っているんです」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

ともに無敗のエルコンドルパサーとグラスワンダーを一蹴した毎日王冠。GIIとしては異例の大観衆が東京競馬場に詰めかけた

 サイレンススズカが、もしいたら。もしあのまま走り続けていたら。そんなifのドラマをファンに長く想像させる馬は滅多にいない。やはり競馬が持つドラマを描いたノンフィクションの傑作選の表紙に相応しいのは、サイレンススズカしかいなかった。

 そうしてサイレンススズカが23年ぶりに表紙として堂々と府中のターフに立つことになったのである。

 最後に。サイレンススズカの担当をしていた加茂厩務員はあの天皇賞のあと、まもなく厩務員を辞め、今は故人となっている。

 サイレンススズカの死から10年後に書かれたノンフィクション「理想のサラブレッドに見た夢」の筆者でもある片山さんが、加茂さんのご子息(現在は専門紙のトラックマン)に「名馬堂々。」を渡したところ「仏前に供えます」と喜んでいたそうだ。サイレンススズカは、今なお多くの人の心の中で生き続けている。

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