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「実業団優勝よりも箱根駅伝出場の方がスゲー!って言われます」18年前“花の2区で12人抜き”尾田賢典は今、何してる? 

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酒井政人

酒井政人Masato Sakai

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photograph byMasato Sakai

posted2021/10/27 11:02

「実業団優勝よりも箱根駅伝出場の方がスゲー!って言われます」18年前“花の2区で12人抜き”尾田賢典は今、何してる?<Number Web> photograph by Masato Sakai

関東学院大学4年時に花の2区で12人抜きを演じている尾田賢典さん

 1500mは実業団時代に練習の一環で出場した3分49秒31が自己ベストだった。36歳になった尾田くんは狙い通りにM35(35~39歳)の日本新記録となる3分54秒19を叩き出したのだ。2018年からはトレイルレースにも出場するようになり、ランニングの新たな魅力にハマっていった。

「山を走るのはきついイメージしかなかったんですけど、大会に出たらすごく楽しかったんです。速く走ろう、というよりも、楽しもうぜ、という雰囲気なので、きつかったら歩けばいいですし、写真を撮りながら、楽しんで走れるところがいいですね。趣味にするには最高ですよ。普段の練習は自宅近くを走り、土日に近場の山に行ける。日本は山が多いので、コースもたくさんありますから」

40歳、まだまだ息子には負けない

 40歳になった尾田くんの走力は少しも衰えていない。全国大会に出場した中学3年生になる長男とも一緒に練習することがあり、1500mトライアルでは長男を引っ張ったうえで先着している。「絶対に勝てるなと思ったら楽勝でしたね(笑)。でも高校生になったら無理でしょう」とうれしそうに話していた。

 仕事では今年2月にスポーツ強化・地域貢献部という部署に異動。現在は棒高跳びの山本聖途ら強化部に所属するアスリートを支援する業務を担っている。会社では苦労も少なくないが、仕事、プライベートで充実した日々を過ごしているようだ。また自分が走るだけでなく、地元のランニングクラブで市民ランナーの指導も行っている。

「今はトレイルをメインに走っていますが、1500mもタイミングがあれば出たいですね。M40(40~44歳)の日本記録が3分58秒53なので狙えるかなと思っています。大学や実業団の指導者になることは考えていません。トヨタでしっかり仕事をして、週末は楽しく過ごしたい」

 尾田くんの笑顔を久しぶりに見たら、こちらも元気になれた。

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尾田賢典
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