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「個のレベルでは世界最高だが…」PSGでCL制覇するために、キャリア終盤のメッシが為すべきこととは<ロングインタビュー>

posted2021/10/25 11:01

 
「個のレベルでは世界最高だが…」PSGでCL制覇するために、キャリア終盤のメッシが為すべきこととは<ロングインタビュー><Number Web> photograph by L’Équipe

人生はじめての移籍を経験した34歳のメッシ。ムバッペ、ネイマールらとともにCL制覇を目指す

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 フローラン・トルシュ記者によるリオネル・メッシインタビューの第2回である。

 バルセロナの退団が急遽決まったメッシが、どうして新天地をパリ・サンジェルマン(PSG)に求めたのか。メッシとPSGには共通の目的がある。それはメッシにとっては5度目の、PSGにとってはクラブ史上初のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇である。

 選手は揃っている。個々の能力では誰もが世界最高レベルでどのクラブと比べても引けを取らない。それではチームに何が欠けているのか。欧州制覇を果たすために、クラブに必要な最後のピースはいったい何であるのか。メッシが語る。(全3回の2回目/#1#3へ)

(田村修一)

――あなたは13歳でアルゼンチンのロサリオを離れ、ヨーロッパでの冒険に乗り出しました。以来、21年間バルセロナに住み続けましたが、もうひとつの故郷を去るという感覚はありましたか?

「もちろんだ。気持ちを落ち着かせるのはもの凄く難しかった。住み慣れた自分の家を離れ、家族は日常生活を大きく変えねばならない。子供たちも学校を変え、僕らと一緒に新たな場所に移り住む。僕の人生のなかで初めての経験だった。本当にいろいろなことが頭をよぎった。でも他の選択肢はなく、どうにもならないから僕らは状況を受け入れた」

大きな変化を決意させたPSGからのオファー

――あなた自身の気持ちは、この激動のなかでどう揺れ動きましたか?

「バルセロナを離れる際に言ったように、過ごした日々を振り返ると本当に辛かった。僕も家族も、僕はバルサで選手としてのキャリアを終えると思っていた。だからとても苦しかったけど、家族全員で試練を乗り越えた。

 将来に目を向けるように考えを切り替えたとき、PSGからオファーが届いた。僕ら(メッシと周囲の人々)はがぜん色めき立ち、パリへの興味が湧いた。PSGは素晴らしいチームで、タイトル獲得に飢えている。僕の人生においても新しい経験で、大きな変化だ。気持ちは徐々に傾いていった」

――PSGの最初のコンタクトは早く、あなたの退団が発表された8月5日の夜ではなかったですか?

「バルサが退団の発表をしたときから、僕はどうすればサッカーを続けられるかを考えるようになった。キャリアを継続していくには新たなクラブを探さねばならない。幸いいくつかのクラブからコンタクトがあって、そのひとつがパリ・サンジェルマンだった。PSGのことはある程度わかっていた。彼らは当初から僕を大事にしてくれ、熱意を見せて十分に配慮してくれた。感謝しているし、今ここにいることができてとても幸せだよ」

【次ページ】 キャリア終盤での新たな挑戦

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