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本気で馬主になるにはどうすればいい?「金持ち」は必須条件だけど“宝くじ”ではNGのワケ…〈有名馬主も最初はただの“競馬ファン”〉
text by
江面弘也Koya Ezura
photograph byAFLO、Photostud
posted2021/10/22 17:01
(左)オジュウチョウサンのオーナーは一口馬主からスタート(右)ソダシなど多くのGIホースのオーナーである金子真人氏
「一口馬主」にも夢がある理由
その代表のひとりにオジュウチョウサンの長山尚義氏がいる。学生時代に競馬にのめり込んだ長山氏は、高額な血統本を買って勉強するような「相当な競馬オタクだった」そうだ。馬主になったきっかけは、社台レースホースの会員になったことだという。
〈最初に持ったのがサッカーボーイだった。ディクタスの仔が好きで、体は小さかったが、馬が良かった。当時はまだサラリーマンだったので、一口を分割払いで買った。〉(東京馬主協会会報『Ownership 2020夏号』)
その後、ダンスインザダークやステイゴールド、オルフェーヴル、ジェンティルドンナといった名馬にも出資している。その一方で、自分の好きな血統の馬をつくりたいと思って個人馬主となった長山氏は、シャドウシルエット(父シンボリクリスエス)という繁殖牝馬を買い、ステイゴールドを種付けし、うまれたのがオジュウチョウサンである。学生時代から血統を勉強してきたことが、大障害馬の誕生につながったのだ。
長山氏のように、競馬ファンから「一口馬主」というステップを踏んで馬主になった人は多い。正式な馬主ではなく、クラブの会員として出資するだけだが、仔馬の見学ツアーや懇親会を介して牧場や厩舎関係者との接点もでき、同時に、仔馬がデビューして引退するまでの流れも学べる。
「ウマ娘」が未来の馬主を生み出すかも?
日本は世界でもっとも競馬人気の高い国だが、若い世代のファンの多さはとくに際立っている。
「若いときに『ウマ娘』というゲームにはまって競馬が好きになり、馬主になりたいと思いました」
そう語る新人馬主が誕生するのも案外早いように思えてきた。
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