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《キャッチャー歴3年未満》花咲徳栄→中日ドラフト4位・味谷大誠 “悲劇の世代”がつないだ名門の「連続記録」とは
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byGenki Taguchi
posted2021/10/16 06:00
今年のドラフトで中日から4位指名を受けた味谷大誠(花咲徳栄)。高校から捕手を始めた味谷は“悲劇の世代”の中心選手だった――
「自分たちは連覇を途切れさせてしまった代なんで、後輩たちにはもう、あんな悔しい想いはしてほしくないですし、岩井先生にも『経験を伝えてくれ』と言っていただいているんで、自分にできることはしていきたい」
中日から4位指名。目標の選手は…
こうして、ひたむきな日々は報われた。
悲劇の世代の中心にいた男は、10月11日のドラフト会議で中日から4位で指名され、花咲徳栄の功績を次代へと繋いだ。
目標とする選手は、13年に同校からドラフト3位でオリックスから指名されたキャッチャー、若月健矢だ。「プロ野球選手としても尊敬している選手なんで」と、味谷は真っすぐに答えた。
キャッチャーを始めて3年未満。プロの指導者からすれば、仕込み甲斐があるはずだ。
「目標は味谷さんです」
いつか、ドラフトで指名された花咲徳栄出身のキャッチャーが、迷わずにそう答える日が来るのではないか?
毎年のようにプロを輩出する高校だからこそ、そんな未来すら想像させてくれる。