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阪神1位・森木、日本ハム2位・有薗にも…次代に広がる“大谷翔平効果”〈されど今、大谷が球児なら「二刀流」を目指さない!?〉

posted2021/10/13 11:02

 
阪神1位・森木、日本ハム2位・有薗にも…次代に広がる“大谷翔平効果”〈されど今、大谷が球児なら「二刀流」を目指さない!?〉<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

もし、「高校球児・大谷翔平」が「メジャーリーガー・大谷翔平」を見たら、“二刀流”を目指すのか?

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菊地高弘

菊地高弘Takahiro Kikuchi

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Sankei Shimbun

 23登板 9勝2敗 130回1/3 156奪三振 防御率3.18
 155試合 打率.257 46本塁打 100打点 26盗塁

 MLBという世界最高峰のリーグで、この数字を一人の人間が叩き出した。いくら非現実的なパフォーマンスに感覚が麻痺しようとも、その異常性だけは忘れないようにしたい。大谷翔平のプレーを花巻東高1年時から見てきた者として、いつもそう自分に言い聞かせている。これまで何度も、「常識」とされてきた概念が覆されたシーンを目の当たりにしてきたからだ。

 どのスポーツにも言えることながら、ジュニアアスリートはトップスターの影響を受けるものだ。かつてイチローや松井秀喜が君臨した時期には、ジュニア野球の現場で右投げ左打ちに転向する選手が続出した。

 今のアマチュア球界では当然、大谷から影響を受けた選手が多い。その証拠に「二刀流」を志す有望選手が目立っている。

「プロでも二刀流に挑戦したい」。広がる“大谷翔平効果”

 今夏の甲子園では、愛工大名電の田村俊介(広島4位指名)が「両方やりたいと思っています」とプロでも二刀流の継続希望を明かした。田村は投げては最速145キロを計測する本格派左腕で、打っては高校通算32本塁打のスラッガーでもある。

 夏の甲子園では投手としては右ヒザ痛もあって不完全燃焼に終わったものの、打者としては柔らかいスイングでライトスタンドに放り込んだ。NPBスカウトも田村を打者として高く評価する声が強い。

 その一方で、田村を日頃から指導する倉野光生監督は「両方できると思う」と二刀流を支持し、こんな希望も語っている。

「海の向こうには大谷翔平という素晴らしい存在がいますが、彼を目指してやってもらいたい」

 現実的には、田村は大谷ほど投打にずば抜けた存在とは言えないだけに、プロ入り後に投打いずれかに専念することになるだろう。とはいえ、小中学生ならいざしらず高校3年生の段階で「プロでも二刀流に挑戦したい」とスケールの大きな希望を口にすること自体、頼もしさを覚えずにはいられない。

 高校生は肉体的に成熟していく年代だけに、プレーヤーとしてどの部分が伸びるのか完全には読みにくい。投打ともに選択肢が残れば、選手としての可能性は間違いなく広がっていく。

【次ページ】 ドラフト指名の森木&有薗も語っていた「二刀流」

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