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偉大な安打製造機・青木宣親39歳《生涯打率1位から陥落危機》をしのげるか ヤクルト大先輩・若松勉のような粘りを
posted2021/10/05 11:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
ヤクルトの快進撃が続いている。燕の若大将、村上宗隆の打棒が目覚ましいが、ベテランの青木宣親は先週の週間打率が.417と絶好調。打線の活力となっている。ただ、筆者は青木に関して非常に気がかりな数字に気が付いてしまった。
NPB公式サイトには、歴代最高記録というコーナーがあり、打率部門では、青木宣親が歴代1位になっている。しかし10月3日時点では以下のようになっている。カッコ内は実働期間。
1.青木宣親 .321 (2004-2021) 5621打数 1806安打
2.リー .320 (1977-1987) 4934打数 1579安打
青木は1位だが、2位のレロン・リーとはわずか1厘差になっているのだ。今年5月にもこの話題についてコラムにしたが、想像よりもやや早く「通算首位打者明け渡し」の危機が迫っている。
青木がこのランキングで1位になったのは、2018年5月3日のことだった。NPBの生涯打率は4000打数以上でランキングされている。この日の第4打席で青木は4000打数に到達し、4001打数1310安打、打率.327となって、リーの記録を抜いて打率1位に浮上したのだ。
36歳でMLBから復帰して以降もハイアベレージだった
以後の年度ごとの打率ランキングの推移。カッコ内は青木のそのシーズンの最終打率である。
2018年
1.青木宣親 .329010 / 4395打数 1446安打(.327)
2.リー .320024 / 4934打数 1579安打
2019年
1.青木宣親 .325758 / 4884打数 1591安打(.297)
2.リー .320024 / 4934打数 1579安打
2020年
1.青木宣親 .325129 / 5241打数 1704安打(.317)
2.リー .320024 / 4934打数 1579安打
2021年10月4日まで
1.青木宣親 .321295/ 5621打数 1806安打(.268)
2.リー .320024 / 4934打数 1579安打
2018年、MLBから復帰した青木は36歳になっていたが、いささかの衰えも見せずに安打製造機ぶりを発揮し、打率.327で4位となった。打率は4000打数に到達した時点から2厘上がって.329。2位のリーとは9厘近い大差がついていた。
以後2年間、通算打率は下がったが、それでも3割前後をマークし、リーとの差は5厘をキープしていたのだ。
しかし今季、打率は開幕から2割台前半と低迷、夏以降に盛り返したものの日別にみていくと、9月17日には4打数無安打で青木の打率は.320524(5569打数1785安打)と2位リーと5毛差にまで縮まった。