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「そのベルト、返してもらおうか」飯伏幸太が狙う“3連覇”とIWGP世界王座奪還…“カミゴェ”食らった鷹木「本家のは半端ねえな」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2021/10/05 11:00

「そのベルト、返してもらおうか」飯伏幸太が狙う“3連覇”とIWGP世界王座奪還…“カミゴェ”食らった鷹木「本家のは半端ねえな」<Number Web> photograph by Essei Hara

10月3日のG1クライマックス公式戦にて、鷹木信悟に勝利して雄叫びを上げる飯伏幸太

飯伏「次、そのベルト、返してもらおうか」

 そして、飯伏は様々なバリエーションで何度も鷹木にヒザ蹴りを浴びせた。そして、とどめは正面からのカミゴェだった。

「おい、鷹木。この1勝はでかいぞ。次、そのベルト、返してもらおうか」

 飯伏は若手の肩を借りて控室に戻って行く鷹木に呼びかけた。どこかで聞いたことがあるフレーズだった。1年前の広島で鷹木が飯伏に勝った時、確か鷹木が「この1勝はでけえぞ」と言った。

 ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの盟友である内藤哲也はセイバーJr.との開幕戦で左ヒザの靭帯と半月板を損傷して、その後のG1全試合を欠場している。鷹木が楽しみにしていた内藤戦は不戦勝扱いになってしまった。

「内藤も欠場していて、一番負けたくない試合だった。オレは負けちゃいけねえんだ。オイ、飯伏。ベルトどうこう言っているけれど、オマエちょっと気持ちねえんじゃねえか。まだ、G1は終わってねえんだ」(鷹木)

 東京ドームで飯伏の代役だった棚橋弘至のカミゴェを浴びた鷹木は技への対応も研究していた。取られた両腕を力づくで交差してブロックしたと思えば、逆に胸板への反撃の頭突きを放ってカミゴェをしのいだ。そのヒザを浴びた時のダメージもある程度イメージしていたようだが、飯伏のは鷹木の想像と違った。鷹木はフォールを奪われての2敗目。

「やっぱ、本家のは半端ねえな。だが、オレもこのまま引き下がるわけにはいかねえ。自分のために勝って見せる」

【次ページ】 飯伏はIWGP王座奪還を目論む

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