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「横綱相撲をとれた」スプリンターズSを制した3歳馬ピクシーナイトに福永祐一が抱いていた確信〈タイキシャトルに並ぶ記録も達成〉
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/10/04 11:30
10月3日の秋GI開幕戦となったスプリンターズSを制したのは、3歳馬のピクシーナイトと福永祐一だった
1月のシンザン記念を勝つなど、マイルでも結果を出していたが、NHKマイルカップで12着に惨敗してからスプリント路線に転向。CBC賞2着、セントウルステークス2着と惜しい競馬がつづき、3度目のスプリント戦で大仕事をやってのけた。福永はこうつづけた。
「前々から、この馬は凄い馬になると公言していたのですが、想像を超える馬になる可能性が出てきました。この先、短距離界を引っ張っていく存在になる馬ですし、国内のみならず、いろいろな選択肢を考えられる馬だと思います」
この馬の母の父は、福永がデビュー3年目の1998年にクラシック三冠で騎乗し、2、14、5着となったキングヘイローだ。その意味でも、格別な勝利だっただろう。
GIで力を証明した馬は?
2着のレシステンシアは、先行力を生かす競馬をして最後まで伸びたが、外を走らされた分、及ばなかった。3着に来た10番人気のシヴァージは、逆に1枠1番を利しての好走だった。
折り合いが心配されたメイケイエールは、テン乗りの池添謙一が、序盤は外に出しながら後方で上手く我慢させ、3コーナーからマクるように上がって4着を確保。前半で脚を溜めれば、GIでも上位争いする力があることを改めて証明した。
ロードカナロアとの父仔制覇が期待されたダノンスマッシュは6着に敗れた。レシステンシア同様、外枠が響いたのか。
なお、日本時間の同日午後11時過ぎに発走した第100回凱旋門賞(仏パリロンシャン競馬場、芝2400m、3歳以上GI)を制したのは、ドイツのトルカータータッソだった。日本のクロノジェネシスは直線で見せ場をつくるも7着。ディープボンドは最下位の14着、武豊が騎乗したブルームは11着に終わった。