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「堀米雄斗効果でスケボー人口が急増している」ブームは本当か? スケボーパーク利用者は1.5倍、スクールの問い合わせは5倍も…
posted2021/09/30 17:04
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph by
AFLO
先の東京五輪で正式種目となったスケートボードは、金メダル3、銀1、銅1を日本にもたらし、全国を沸かせた。とりわけ、このメダル量産劇の先陣を切った堀米雄斗(22歳)は、圧巻の滑りに加えて、アメリカンドリームを実現したライフスタイルも世の大人たちの関心の的だ。
そんな彼の姿に触れたことで、スケートボード好きな子どもを抱える親たちの目の色が変わってきているという。スケートボードをはじめ、サーフィン、スノーボードなど、横乗り系商品を多く扱うムラサキスポーツのマーケティングマネージャー嶋田俊一郎氏に聞いた。
「日本の多くの親御さんは子どもの遊びではなく、その人生の先を見据えた教育の一環という感じで、真剣に子どもにスケートボードをやらせています。五輪によってスケートボードがスポーツとして認識され、『我が子を未来の堀米雄斗に』とばかりに熱心にサポートする雰囲気が出てきました。今までは、みんな見よう見まねで自己流のスタイルで滑っていましたが、今後はしっかりとしたコーチ制度などもできていくかもしれません」
堀米だけでなく、日本人としては史上最年少の金(ストリート)に輝いた13歳(当時)の西矢椛や、四十住さくらをおおいに脅かして値千金の銀メダル(パーク)を獲得した12歳(当時)の開心那は、ちびっこスケーターにも大いにアピールしたに違いない。
「パーク利用者は1.5倍で、入場制限も…」
実際、先の五輪は競技人口の増加に直結している。ムラサキスポーツは2009年から東京・足立区でスケートパーク「ムラサキパーク東京」を運営しているが、その入場者が急増中だという。同パークが開催するスクールで教えているプロスケーターの佐々木玲司氏も、最近のブームには目をみはる。