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なぜ女子プロレス団体スターダムは“日本一”集客できるのか? オーナーが明かした極意と野望〈会員数は1年半で数十倍に〉
text by
原壮史Masashi Hara
photograph byMasashi Hara
posted2021/09/30 11:02
(左)第13代・現ワールド・オブ・スターダムチャンピオンの林下詩美(右)第15代・現ワンダー・オブ・スターダムチャンピオンの中野たむ
ただし、村社会化を進めたいわけではないのは2012年の例の発言からも明らかだ。どれだけ人気がついてきても、一般層への露出機会を減らすことは決してない。全国ネットや地方局の番組に選手が呼ばれるようにもなったが、プロレスそのものを見てもらう機会を生むことを大切にしており、木谷オーナーも手応えを口にしている。
木谷:テレビ戦略は地道にやっています。いくらテレビを見なくなったといっても効果はあります。U局への番組販売(We are STARDOM~世界が注目!女子プロレス~ ※試合と選手のドキュメンタリー)もしているのですが、その地域で試合をするとお客さんの入りが確実に良くなっているんです。いずれは海外でも番組販売があると思います。
アイドル文化のあるアジア圏との親和性
――海外といえば、武道館の試合後には全米ツアーという言葉もありましたが、それはどうでしょうか?
木谷:いやいや、それはまだまだです。コロナが終わってからですね。
しかし、木谷オーナーの頭の中には既に様々な想像が広がっていた。
木谷:アメリカには新日本の現地法人がありますけど、東南アジア・東アジアを自分たちでやりたいんですよね。アジアはアイドル文化があるので、新日本よりスターダムの方がやりやすい可能性すらあります。
――海外で興行をする場合は日本でやっているものをそのまま持って行くことになるのでしょうか?
木谷:うーん、1試合くらい現地のレスラーがいたらいいですよね。だから……色んな国から新弟子をとった方がいいかもしれないですね。各国1人いて、地元の言葉で喋ってくれて……スターダムは想像できることがいっぱいあるんですよ。まずスターダムっていう名前がいいですよね。
楽しそうにプランを披露する木谷オーナーは今後の更なる躍進を確信している。
木谷:ここから100倍の規模になることだってあると思っています。でも、まずは国内でもっとブレイクさせたいですね。10倍、今の新日本くらいにはしたいです。それはそんなに難しくないと思うんです。そうですね、新日本を超えることが目標です! と言っておきましょうか。
あえて大阪城ホール大会を行う意味
冗談めかしてそう言うが、木谷オーナーの目は本気だ。大阪城ホールも、今だからこそ打って出ることを決めた。