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「えっ、甲子園《神整備》の売上って数%なの?」公園やJクラブの芝生管理…阪神園芸の“知られざる業務”を社長に聞いた
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph bySatoshi Shigeno/Hanshin Engei
posted2021/10/01 11:04
神整備でおなじみの阪神園芸。緑地管理部など様々な仕事がある
「和田豊さんが引退試合の時に感謝を」
そう言えば先日、今シーズン限りでの引退を発表した俊介も、阪神園芸への感謝を伝えたという記事を目にした。そして甲子園のグラウンド整備を見た際、早出で練習していた選手も整備を進める阪神園芸の人々に「おはようございます!今日もありがとうございます」と声をかけていた。
そして金沢さんも「元監督の和田豊さんが引退試合で挨拶の時に『気持ちのいいグラウンドを作ってくれた阪神園芸のみなさん……』と言ってくださった。それが本当にうれしかったですね」と話していたのが強く印象に残っている。
「それはひとえに、甲子園球場と球団と、阪神園芸の間に信頼関係があるからこそだと思っています。その積み重ねが今回の取材のように『阪神園芸って何の会社なんだろう』と感じていただく機会になったのかもしれませんね」
このように話した久保田社長は「この会社は技術屋の集まりですから」と笑顔で締めくくってくれた。
事業としてメインではないとしても、一所懸命に甲子園のグラウンドを整える姿。それは各地の庭園・公園・緑化事業に携わる人々と共通するものなのは間違いない。
そういう意味で、阪神園芸の甲子園グラウンド整備メンバーは最強の仕事人でありながら《最高の広報役》でもあるのだろう。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。