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大谷翔平のMVPレースを“大リーグベテラン記者2名”はどう予想したか「たとえゲレロが三冠王を獲得しても…」 カギとなる《4.4+3.7=8.1》って何?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byNanae Suzuki
posted2021/09/28 11:08
ア・リーグ本塁打王争いで3位の45本を放っている大谷翔平(9月23日現在)。投手としては9勝、残り試合で二桁勝利を目指す
また、野手のWARには守備や走塁での貢献指数も含まれている。トラウトやベッツの数字が突出して高いのは、彼らの守備面、走塁面でのポイントが加味されているためだ。
さて、ここで気になるのが今季ここまでの野手のWARポイントだ。ア・リーグ上位は23日現在、以下の通りになっている。
1位 カルロス・コレア(アストロズ)6.9
2位 ウラジミール・ゲレロJr.(ブルージェイズ)6.8
3位 マーカス・セミエン(ブルージェイズ)6.7
4位 ホゼ・ラミレス(インディアンス)6.4
5位 セドリク・ムリンス(オリオールズ)5.9
13位 大谷翔平(エンゼルス)4.4
大谷のMVPを示す「4.4+3.7=8.1」
トップのコレアは遊撃手としてのポイントが加算され、大谷が13位と低いのはDH専任で守備指数がないためだ。だが、大谷には投手としてのWARがある。その数値は3.7。つまり大谷の勝利への貢献指数はトータルでこうなる。
4.4+3.7=8.1
MVPを争うとされるゲレロに差をつけること現状で1.3ポイント。大谷のMVPが揺るぎないと評価されている背景はこんなところにもある。
あらためてMVPレースについて問われたエンゼルスのジョー・マドン監督は言った。
「私は誰であろうと、相手は2番手、3番手、4番手だと思っている」
例年ならば、MVPの発表は11月中旬。たとえ、ゲレロが三冠王をとったとしても、今季の大谷が成し得たことはベースボールの歴史上唯一無二のこと。結果を恐れることはないのである。
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