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21戦全勝中谷潤人が本場デビュー 23歳“井上尚弥に次ぐエース候補”が明かす「僕が“愛の拳士”を名乗る理由」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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posted2021/09/10 11:03

21戦全勝中谷潤人が本場デビュー 23歳“井上尚弥に次ぐエース候補”が明かす「僕が“愛の拳士”を名乗る理由」<Number Web> photograph by AFLO

現地時間9月10日、WBO世界フライ級王者・中谷潤人が元WBO世界ライトフライ級王者アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)の挑戦を受ける

 すごく綺麗な形でボクシングする選手なんですけど、パンチをしっかり計算した上で当てていくところに魅力を感じますね。ルディも僕とロペスがタイプ的に被るところがあると感じてそう言ってくれたんだと思います。今でもイメージ作りのためにロペスの試合はたまに見ますよ。

 アメリカにいる間は、ルディの家に住み込みで生活しています。英語は実はあまり話せないんですけど、ルディは僕が分かりやすいように喋ってくれます。だからなんとかなっているし、英会話がストレスになったりとかはないですね。

 今、振り返ると、中学卒業後に単身で来たときの方が英会話が大変でした。僕はあまり自分から喋る方ではなかったので、できたのはとにかくボクシングを見てもらって、認めてもらうということだけ。スパーリングなどで力を見せると、みんなが話しかけてくれました。ルディたちが受け入れてくれたおかげですけど、そうやって練習を重ね、徐々に力をつけ、認めてもらえたことは僕にとって大きかったと思っています。

入場曲に長渕剛の「神風特攻隊」を選んだワケ

 今は試合に集中している中谷だが、今後、家族旅行で行ってみたい場所は沖縄なのだという。とはいっても、美しいビーチや名物料理を楽しみたいというわけではない。その理由に耳を傾けると、23歳という年齢に似合わぬ中谷の成熟がわかりやすい形で伝わってくる。それと同時に、長く豊潤なボクシングキャリアを積み上げていきそうな中谷が、“愛の拳士”と称される理由も見えてくる。

 中学校の修学旅行で沖縄に行った際、ガマ(沖縄にある自然洞窟)の前で比嘉涼子さんという方に戦時中のお話を聞いて感銘を受けたんです。戦争が原因で、まだ若く、未来があった方々が亡くなられたことを知りました。そんな人たちがいた一方で、今、僕はこうしてボクシングができています。僕が置かれている環境は当たり前じゃないんだということをそこで知ったんです。僕の入場曲が長渕剛さんの「神風特攻隊」なのもこの経験の影響が大きいんです。

 その後、中学の授業の一環で比嘉さんに手紙を書き、以降も交流を持たせて頂き、比嘉さんにはずっと応援して頂いています。いずれまた沖縄を訪れたいですね。遺跡を巡ったり、また比嘉さんの話を聞いたりしたいと願っています。

【次ページ】 僕が“愛の拳士”を名乗る理由

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