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21戦全勝中谷潤人が本場デビュー 23歳“井上尚弥に次ぐエース候補”が明かす「僕が“愛の拳士”を名乗る理由」
posted2021/09/10 11:03
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
AFLO
井上尚弥、村田諒太、京口紘人らに続き、また新たに日本人の世界王者がボクシングの本場・アメリカのリングに立とうとしている。WBO世界フライ級王者・中谷潤人(M.T)が現地9月10日、アリゾナ州トゥーソンで元WBO世界ライトフライ級王者アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)の挑戦を受ける。
21戦全勝(16KO)のサウスポー、中谷はパワー、スキル、171cmの長身を備え、一部から「井上に次ぐ日本の2番手エースになれるのでは」と声が挙がるほどの逸材だ。今回の初防衛戦は井上、村田も契約を結ぶアメリカ最高級のプロモーター、トップランクの興行のアンダーカードに組み込まれている。ここで力を見せれば、今後に良い形でつながっていく可能性は高い。
アメリカでも名前の通った強豪との対戦を間近に控えた中谷に、現地8月31日、リモートインタビューでじっくりと話を聞いた。爽やかな23歳は盛んに笑顔を浮かべ、その表情からは本場デビューへの期待感がはっきりと感じられた。
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アメリカ初挑戦「僕らしいボクシングを見てもらいたい」
アメリカでも試合をやってみたいという思いは常にありました。でも、もっと先だろうなと考えていたんです。今回、こういう形で実現させていただけることはありがたい気持ちでいっぱいです。ここに辿りつくまでに、5月に村田選手のセミファイナルでという話があったんですが、その興行が流れてしまったときは残念でした。昨年11月に、ジーメル・マグラモ(フィリピン)選手と初めての世界戦をさせてもらう際にも何回か延期はあったので、その経験を生かし、しっかりと気持ちを切り替えて準備はできたと思っています。
調整は何も問題はありません。8月中旬にアメリカに入って以降、しっかりとスパーリングも積むことができました。アコスタ選手は元世界王者で、名前のある選手。そういうボクサーにも対応した上で、最後は倒し切れるという僕らしいボクシングをアメリカの人たちにも見てもらいたい。
自分の武器はやはりKOパンチになることも多い左ストレート。あとは遠い距離でも近い距離でも戦えるところですね。もちろんまだまだ精度を上げていかなければいけませんが、ルディ(・エルナンデス・トレーナー)からは小さい頃からずっとロープに詰まった際のブロッキングなどを教えられてきたので、それが今になって接近戦で生きてきているのかなと思っています。