濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
佐藤光留プロデュース『真夏の変態祭り』で諏訪魔に大仁田、鈴木みのるも大暴れ! 灼熱の旧川崎球場で“1日6試合”の佐藤が感じたのは…?
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2021/09/05 17:00
8月22日に富士通スタジアム川崎で開催された佐藤光留の自主興行『真夏の変態祭り』。“世界一性格の悪い男”鈴木みのるも参戦した。
とはいえ暑い。リングのマットも熱を持っているから寝技の攻防もダメージが+αだ。大会前、どうしてDDTのように夜興行にしないのか佐藤に聞くと「会場を借りてる時間、全部お客さんにいてもらって何か見せたい」と言っていた。さらに「出てほしい選手のスケジュールがなかなか合わなくて。だったら自分で出ればいいんじゃないか」と、第1試合から第5試合まで前半は佐藤が出ずっぱり。シリアスな攻防もコミカルな展開もやりきって、夜の部では凶器使用OKのタッグマッチに登場した。実に1日6試合。
「1大会で6試合やったらどうなるのかなんて分からないですよ。でも、どうなるのか分かることしかやらないようじゃプロレスラーとしてつまらない。それに僕は10代の頃からプロレスラーになりたくてなりたくて仕方なかった。同い年の女子選手がデビューした時には“俺も早くプロレスラーになりてぇ、試合がしてぇ”って思ったもんです。リングに上がって試合をしたかったんだから、ずっと。だからたくさん試合できていいじゃないですか今回(笑)」
こういうところが変態なのである。実際に6試合やってみて、大会後に言ったのは「しんどかったですね」。でも「屋外で1日6試合やったらしんどい。それを知らずに死ぬレスラーよりは、自分は上にいるなと」。
諏訪魔に大仁田、鈴木みのるも…自主興行ならではの熱狂
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夜の部の幕開けは、佐藤が主戦場とする全日本プロレスの提供試合。諏訪魔&SUSHI&田村男児が石川修司&斎藤ジュン&斎藤レイと対戦した。全日本の顔、元5冠王者・諏訪魔が川崎球場時代からの照明スタンドに照らされる。照明をつけるにももちろん費用がかかり、そのためのスポンサーも一般から募ったそうだ。
木高イサミ&阿部史典vs.佐藤光留&植木嵩行の凶器持ち込みマッチでは、ギガラダー(巨大ハシゴ)からのダイビング・ダブルニードロップでイサミが夜空に舞った。大ダメージの佐藤を抑え込んで阿部が勝利。逆サイドのリング下では、“公認凶器”として登場した渡慶次幸平が暴れていた。グローブなし、頭突きも有効の“過激格闘技”ラウェイの選手だ。イサミ組が用意した公認凶器は大和ヒロシ。佐藤の元タッグパートナーである。大和が全日本プロレスを離れて以降、交わることのなかった両者がこんな形で再会するとは思わなかった。