2シーズン前に原口が話していたこと

　どのポジションで起用されても、そこでやるべきことを受け止め、研究し、それをプレーに還元してきたからこその今がある。

「もうちょっとしっかり前で使ってもらえたら、もう少し数字が出そうだというのもある。もちろん自分の数字とかもこだわりたいんだけど、これだけ監督に信頼してもらって、使ってもらってるなかで、やっぱり勝ち点3というのは自分が出てる時にちゃんととらないとなというのは感じていた」

　2シーズン前、ハノーファーでボランチとしてプレーしていた頃そんな風に話していたことがある。

ハノーファー時代の原口　©Getty Images

　チームを勝利に導くために、自分はどんなプレーでどのように貢献できるんだろう。だから、中盤で積極的に走り、攻守のバランスを取り、ゲームコントロールをしてチームを引っ張った。トップ下で起用されることが多かった昨季は違いを生み出すプレーで勝利に貢献した。ゴールへ直結するプレーの質が向上し、ミドルシュートから何度も得点をあげた。

「チームにクリエイティブさと安定感を」

「原口元気は、ドイツサッカーをもう何年もよく知っていて、納得のいくパフォーマンスを披露している選手だ。高い技術レベルを誇り、ゴール前での怖さを持っている。チームにクリエイティブさと安定感をもたらしてくれるだろう」

　ルーネルトSDは原口獲得時にそう口にしていたが、ここまで期待通りの活躍を見せている。ブンデスリーガで何が求められるかを知っている。例えをあげると、原口は相手シュートやパスのブロック能力が高い。体にぶつけさせる。微動だにしない。そして少しでも隙を見せたら果敢に奪いに行ける。ボール、相手にアプローチへ行ける距離間の確かさがそこにある。

《いつ、どこで、どんなプレーを、どんな優先順位でするべきか》が頭と体と心に浸透しているのだ。試合の流れ、両チームのパワー関係、自分達の強みと弱点、相手の怖さともろさ。そうしたところを把握したうえで、そしてチーム戦術を理解したうえでプレーを積み重ねていくから、監督からの評価が高くなるのも納得だ。

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