智弁学園は5日間4試合…超過密日程の甲子園で「W智弁」に負けた2校の敗因「クローザーの右ヒジ炎症」「エースの下半身の疲れ」

　智弁学園の8番小畠一心が振り抜いた打球が左翼スタンドに吸い込まれると初出場でベスト4まで勝ち上がってきた京都国際の万策が尽きた。

「ロースコアで粘って終盤勝負と思っていましたけど、あのホームランが余計でした」

　京都国際・小牧憲継監督が実感を込めて振り返ったのは、準決勝の4回表のことだ。

　エース・森下瑠大の疲労を考慮して、この日の先発マウンドは平野順大。立ち上がりは3回2安打0点に抑える。しかし、4回に二死1、2塁のピンチを招くと、8番の小畠に左翼スタンドに放り込まれた。智弁学園がスクイズを失敗して無失点の可能性があっただけに、「余計だった」という小牧監督の言葉に、チームの限界値が見えた気がした。

智弁学園の8番小畠一心の3ランホームラン　©Hideki Sugiyama

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京都国際監督「エース森下は下半身の疲れがあった」

　ベスト16以降は決勝まで6日間（もしくは5日間）で4試合……終盤の日程が過密になっている今大会。準決勝は、いかに投手マネジメントして勝ち切るかがカギになった。（※智弁和歌山は24日の3回戦から6日間4試合、智弁学園は25日の3回戦から5日間4試合のスケジュールになっている）

　どのチームも複数投手を用意しているが、京都国際の場合、この甲子園でも2試合を完投したエース・森下が大黒柱だ。ただし真夏の過密日程のなか、一時はエースナンバーをつけたことがある平野の好投を相手に見せながら、森下の負担を軽減して戦っていくしかない。

　準々決勝に続いて、平野が智弁学園戦も先発したのはそうした投手マネジメントがあったからだ。この日、小牧監督は打線でも主軸を打つことが多い森下をスタメンから外した。

　小牧監督は理由を明かす。

「森下は京都大会の前に、足首を痛めていた時期があったんです。そのケガの影響はなかったんですが、その時期に十分な練習ができなかった。トレーニングを積めなかったので、ちょっと（下半身の）疲れが出てきているという話がチームドクターからありました。（スタメンに起用し）守備の往復をしながらブルペンに行くというのを繰り返していたら、マウンドに上がった時に本来のパフォーマンスが発揮できない……そう感じて、スタメンから外していたのです」

「ベスト4では一番力がない」

　京都国際のプランは、平野の奮闘がカギだった。なるべく多くのイニングを平野が投げて、森下の登板をショートイニングで抑え、初出場で決勝へ進む。

　4回の3点本塁打は、そういった意味では、京都国際にとって絶望的な一発だった。

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