レース後にJRAが会見を行い、事実は翌日の新聞報道で知らされた。「テレビ放映終了時間が迫っていたので仕方なくスタートさせたんだろう」などの非難も相次いだ。後にファンからの民事訴訟も起こったほどである（原告の敗訴）。今ならSNS上に「金返せ！」というコメントがあふれるだろう。

4番人気のオークスは「メンコを二重にして…」

　続くオークスで各馬の評価がガラリと変わった。無敗の4連勝で桜花賞を制したシスタートウショウが1番人気。大外20番枠を引いたイソノルーブルは4番人気と一気に支持を下げた。　

　桜花賞での大歓声も興奮状態の一因だったため、清水調教師は馬場入場時にメンコを二重にして歓声をできるだけ聞こえにくくした。視野を狭めるためゲートイン直前までブリンカーも装着。その甲斐あってか、大外からハナを切ったイソノルーブルは折り合いながら終始先頭に立ち、直線で後続がスパートをしてもなかなか抜かせない。後方17番手を進んだシスタートウショウが直線一気の鬼脚でイソノルーブルに並びゴールイン。ハナ差でイソノルーブルが栄えあるオークス馬に輝いた。

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　オークスでの逃げ切りは75年のテスコガビー以来16年ぶり。イソノルーブルの後は04年のダイワエルシエーロのみであり、東京2400mを逃げ切るのは至難の業だ。「逃げて強かった牝馬」イソノルーブルの印象的なレースぶりに多くの競馬ファンが魅せられた。

　この後イソノルーブルは、ぶっつけで秋初戦のエリザベス女王杯に参戦、16着に大敗後、脚部不安を発症してターフを去った。

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