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「すみませんでしたー!」丸山茂樹が東京五輪で嬉しかった“松山英樹が試合直後に言った冗談”とは?〈ゴルフ秘話〉
posted2021/09/12 17:00
text by
丸山茂樹Shigeki Maruyama
photograph by
Getty Images
【初出:Sports Graphic Number 1033・1034号(2021年8月12日発売)「監督よりお父さん」/肩書などはすべて当時】
日本チームの監督として同行した、東京五輪のゴルフ競技が無事に終わりました。日本男子の結果は松山英樹が15アンダーの4位タイ、星野陸也は6アンダーの38位タイ。メダルを獲得することができませんでしたが、この状況下で戦い抜いた2人に拍手を送りたいですね。
世界で勝つゴルファーのレベルの高さを痛感した
予想通り、最終日は大混戦となりました。飛距離を武器に安定したゴルフを見せたザンダー・シャウフェレ(アメリカ)、一気に10ストロークもスコアを伸ばした45歳ロリー・サバティーニ(スロバキア)らメダリストだけでなく、惜しくも4位タイに終わったロリー・マキロイ(アイルランド)あたりも、「国を背負って戦っている」気迫が凄まじかったですね。
選手たち、特に海外勢にとってはすごくやりづらい4日間だったでしょう。慣れない日本で、コースとホテルを行ったり来たりの生活。ホテルに戻っても部屋から一歩も出られないわけですから、プレーをしていない僕でさえもストレスを感じました。
ただ、彼らは世界のトッププロたち。学習能力が高く、強靭なメンタルを兼ね備えたプレーヤーばかりです。徐々に霞ヶ関のコースや日本の暑さにも適応していた。でも考えてみたら、PGAツアーでもメジャー大会でも、求められることは同じです。改めて世界で勝つゴルファーのレベルの高さを痛感する大会でもありました。
監督というより“お父さん”
難しい環境下だったから、いつも以上に監督の役割が大きかった? いえいえ、ほとんどの方が「丸山は何をしているんだ?」と見ていたと思います。それは僕も右に同じです(笑)。
ゴルフは個人スポーツなので、日頃からそれぞれがキャディ、トレーナー、コーチ、その他のスタッフを抱えて行動しています。ましてや東京五輪は団体戦ではないので、本来であれば僕のようなポジションの仕事は必要ない。でも、オリンピックでは役職としてそれが必要だった。だから僕がいるというだけ。