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「もし自分がオリンピックに出られていたら…」篠山竜青が“代表落選”をポジティブに語る理由…中村憲剛の助言が支えに
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/08/20 17:02
コートの内外で存在感を発揮してきた篠山竜青。東京五輪への出場は叶わなかったが、すでに次なる目標へと動き始めている
「東京オリンピックに出られなかったからこそ…」
気がつけばオリンピックは終わり、所属する川崎ブレイブサンダースで新たなシーズンに向けて準備を始める時期が来た。
過去には区切りをつけ、新しいページを進むことになると思っていた。
でも、心がそうはならなかった。
「たぶん、東京オリンピックに出られていたら、『代表ではこれからは若い選手が出てきてくれれば』と思っていたはずなんです。あるいは、川崎でも『ベテランとして、PGのメインは藤井(祐眞)に譲ろう』とでも考えていたんじゃないかな。
でもね……。
メンバーから落とされ、まずは肩の荷が降りて楽な気持ちになりましたけど、その後に、ふつふつ、ふつふつ、と悔しい気持ちが大きくなってきたんですよね。自分でもこんな気持ちになるとは思ってもみなかったです」
よく考えてみた。次のオリンピック、パリ大会は3年後だ。東京オリンピックが1年延期になったために、1年分だけ近いところにある。
「『3年後だもんなぁ、パリは。近いなぁ。目指せる権利があるうちは、目指すべきものだろ!』って。今回のメンバーから落ちたおかげで、そう思わせてくれました」
胸を張って「一番だ」と言える部分
東京オリンピックのメンバーに残れなかった悔しさはあるが、後悔はない。そう思えるのは、代表の一員として過ごす時間には、1秒たりともブレずに続けてきたものがある、という自負があるからだ。
「練習でも試合でも、試合中のコートに立っていなくてベンチにいる時でも、代表への想いや覚悟をもって、コートに立ったときに全てを置いてくるつもりでハードワークはしてきましたから。そういうものも含めて、数字にならない所での貢献を評価してもらって、(自力出場としては)21年ぶりのワールドカップという大事な舞台にもチャンスを得ることができましたし」