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「もし自分がオリンピックに出られていたら…」篠山竜青が“代表落選”をポジティブに語る理由…中村憲剛の助言が支えに
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/08/20 17:02
コートの内外で存在感を発揮してきた篠山竜青。東京五輪への出場は叶わなかったが、すでに次なる目標へと動き始めている
渡邊雄太にベンドラメ…後輩たちへの想い
オリンピックの最終戦が終わったあと、同じPGであるベンドラメ礼生だけには個別に連絡をとった。直前の強化試合では限られた出場時間のなかで持ち味を出し、12席しかない本大会の椅子を勝ち取ったのがベンドラメだった。
しかし、オリンピックで彼に与えられた時間は以下の通りだ。
スペイン戦 1分35秒
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スロベニア戦 21秒
アルゼンチン戦 出場なし
27歳のベンドラメは所属するサンロッカーズ渋谷ではキャプテンを務めるほどの選手だが、将来を期待される若手程度の時間しか与えられなかった。
「普段はそんなに連絡をとることもないんですけど、彼自身もすごく悔しかったと思うんですよ。直前の合宿から数えると2カ月くらい隔離期間があったわけで、家族も悔し思いを味わったはずで。同じPGだし、レオに頑張ってほしいと言う思いが個人的にもありましたし」
メッセージの内容はこんな感じだった。
「この悔しさは絶対に、この先のエネルギーになるよ。だから、頑張れ! 俺もレオに負けないように頑張るから」
篠山がチームを外れてからはキャプテンとしての責任と正面から向き合い、戦ってきた渡邊雄太が、自発的に篠山の名前を何度も語ってくれたことについては「すごく嬉しい」と感じた。ただ、その一方で、こうも考えている。
「僕だけではなくて、その前の竹内譲次さんや竹内公輔さん、太田敦也さんのように、今と比べたら日本がなかなか勝てない時期に、もがき続けながら頑張ってきた人たちがいます。ただ、今回のオリンピックに出たメンバーは、今までの人たちとはバックボーンが異なる部分もあって。キャリアのどこかでアメリカでのプレーを経験している選手が全体の半分くらいを占めるようになってきていますし。代表で以前からやってくれていた人たちをリスペクトしてくれて、名前を挙げてくれるのはすごく嬉しいことなんですけど、この時代にあった代表をナベちゃんが作っていって欲しいなと思いますね。彼は僕より、よっぽど良いリーダーになると思うので」