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メダリストが明かす“コロナ後遺症の恐ろしさ”「跳ぶという動作が自然にできない」「代表になれないんじゃないかと…」
posted2021/08/07 17:05
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
Getty Images
世界中を襲った新型コロナウィルス。オリンピックに出場している選手や関係者のなかにも、過去にコロナに感染し、その後遺症に苦しんだ人もいる。どのような後遺症があり、そんな中、どう練習し、オリンピックに出場したのか。
1)棒高跳び金メダリスト「心の底からゾクゾクした」
8月5日。女子棒高跳び決勝。
「心の底からゾクゾクした」
勝負を決めた4m90のバーをクリアし、マットに落ちた瞬間をこう語るのは米国のケイティ・ナジョットだ。
マットから立ち上がると、泣き笑いの表情を見せ、観客席の階段を駆け上がってコーチの元に駆け寄り、ハグをした。ただ、金メダルに至るここまでの道のりは簡単ではなかった。
昨年12月に発症「大丈夫だろうと思っていた」が…
昨年12月にコロナに罹患。発熱、関節痛、喉の痛みなどの症状が出た後に、味覚と嗅覚を1週間ほど失った。
「皆、似たような症状が出ているし、命の危険はなかったから大丈夫だろうと思っていた」
しかし、症状が収まった後に異変は起こった。