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大谷翔平がもしもトレード・デッドラインで“移籍”していたら…? エンゼルスのポストシーズンは絶望的でも【本塁打王+打点王+二桁勝利】の可能性
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2021/08/07 06:01
37本塁打でア・リーグトップ(8月6日時点)を走る大谷翔平。投手としても6勝を挙げている
そして、もし、プレーオフ進出をかけた優勝争いの中で、本塁打王に輝き、打点王も手中にし、二桁勝利を挙げたなら……。もう、これは、ベースボール史上、過去にない盛り上がりを見せることは間違いない。漫画の世界を飛び越え、ハリウッド映画で最大の興行となるシナリオだ。
トレードが実現する可能性が1%でもあるとしたら?
トレード・デッドライン終了直後の7月30日に行われたナイターでのアスレチックス戦。エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは地元放送局『バリースポーツ・ウエスト』の生中継に出演し、実況担当者からのこんな質問を受けた。
「他球団から『打って投げることができる選手のトレードはできるか?』と聞かれることはなかったのか?」
GMは迷うことなく答えた。
「トレード・デッドラインというものはどこの球団からも電話がかかってくるものだ。私はトレードというのは難しいものが絡み合っていると思っている。今、あなたが誰のことを話しているのかはわかっているが、私はすべてに対してオープンな姿勢でいる。独創性が重要であると考えているので、実現する可能性が1%でもあるのならば、他球団の考えを真剣に検討する」
creativityに富んだ柔軟な発想はこの国の人たちは得意だ。それでも、現実的に大谷と釣り合いのとれるトレードの組み合わせはなかなか難しいだろう。実際にトレードの打診があったかどうかもわからない。更には、根本論として、エンゼルスが大谷を放出してチーム再建に舵を切ることも考えにくい。絵空事を越えることはなかった。