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将棋の渡辺明名人も「本気で応援できる」とお墨付き! “超良血”1歳馬は教育係・メジロドーベルが大好きすぎて…?

posted2021/08/08 17:00

 
将棋の渡辺明名人も「本気で応援できる」とお墨付き! “超良血”1歳馬は教育係・メジロドーベルが大好きすぎて…?<Number Web> photograph by Ryozo Katayama

「メジロツボネの2020」を撮影する渡辺名人。半兄にあたるグローリーヴェイズはGIを含む重賞3勝を挙げる

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片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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Ryozo Katayama

 コロナが一瞬下火になった昨秋の貴重なタイミングに、渡辺明名人をはじめとする将棋界の競馬ファンを北海道の馬産地を巡る小旅行にお連れした。

 日高地方から少し離れた洞爺湖畔のレイクヴィラファームを訪れたのは、「メジロドーベルに会ってみたい」とおっしゃる名人のたっての希望から。かつてGIを5勝した女傑が生まれ故郷に戻り、27歳の穏やかな馬となって渡辺名人との対面が実現した。見学の途中、牧柵のすぐそばまで走り寄ってきてくれたのが、いかにも利発そうな黒鹿毛の子馬だった。

 その馬こそ、今年7月12日に開催されたセレクトセール1歳セッションに上場されて、税抜き価格1億6500万円の高値で評価された、父ハーツクライ、母メジロツボネの牡駒。グローリーヴェイズの異父弟にあたる超良血馬で、品の良さは渡辺名人も一見して感じ取っていたようだ。繁殖牝馬から退いたメジロドーベルは、当歳馬たちの教育係という新しい仕事を任されていて、この子馬はドーベルの様子がどうしても気になって見に来たのだ。

「母親との乳離れは無事に済んだんですが、今度はメジロドーベルが好きすぎて、大丈夫かなと少し心配しているんですよ」と、担当の方のお話。それから9カ月後に、我が国最高のセリでミリオネアの評価をされるのだから、ドーベルの教育もまた素晴らしかったということだろう。

藤田氏「向こう30年は馬主をやるつもり」

「メジロツボネの2020」を落札したのは、IT業界の巨人として知られるサイバーエージェントの代表で、これから馬主になると宣言されていた藤田晋さんだった。AbemaTVの創始者で、現将棋界の隆盛はこのインターネットメディアに将棋チャンネルが開設されたことにも支えられている。

 セリをネット中継で視聴していた渡辺名人が「最高のペアリングになりましたね。本気で応援できる馬が増えました」と、1頭の子馬との偶然の出会いから繋がった不思議な縁を喜んだ。

 2日間で18頭を落札し、市場全体の1割を超える23億6700万円(税抜き価格)の買い物をした藤田氏。「向こう30年は馬主をやるつもりなので、1年目でしっかり土台を作るつもり」のコメントに、事業を始めるときに採算を考えることから入らない藤田流が見えた。

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