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金メダリスト入江聖奈20歳が読んでいた『がんばれ元気』ってどんなマンガ? 40年越しの脚光、アニメ版の続編を!
posted2021/08/05 11:00
text by
高木圭介Keisuke Takagi
photograph by
Naoya Sanuki/JMPA
ロンドン五輪(2012年)から採用された女子ボクシング競技において、フェザー級を制し、日本人初の女子ボクシング金メダリストとなった入江聖奈(いりえ・せな/日本体育大学)が、ボクシングを始めたきっかけとして名前を挙げた漫画『がんばれ元気』(作・小山ゆう)が話題となっている。
1976(昭和51)~81(昭和56)年に週刊少年サンデー(小学館)にて連載。80(昭和55)年7月からはフジテレビ系でアニメ化されており、全35話が放送されている。
入江選手はお母さんの所有していた単行本を読んだことがきっかけだったそうだが、それにしても、連載&アニメ放送の終了から40年が過ぎた作品だ。「40年前」を81年当時に置き換えてみたならば、太平洋戦争開戦の41(昭和16)年となる。「『のらくろ』を読んでボクシングを始めました(※実際にのらくろが拳闘をするシーンは存在する)」と言っているようなものだ。
今回の東京五輪はスケートボードのストリートで金メダルを取った13歳の西矢椛(にしや・もみじ)と銅メダル獲得の16歳・中山楓奈(なかやま・ふうな)の会話によって、44年前のTVアニメ『あらいぐまラスカル』に注目が集まったりと、この手の話題が多い。
地上波での再放送のみならず、BSやCSでの放送、ソフト化やインターネット、サブスク視聴などによって、現在はもう「好きなモノ」に作品の新旧や、視聴する側の年代が問われなくなっている証拠だろう。
いわゆる“スポ根”ではない
現在から振り返ると、つい、一緒くたにしがちなのだが、『がんばれ元気』は同じボクシング漫画の金字塔である『あしたのジョー』(高森朝雄作・ちばてつや画)や、『巨人の星』(梶原一騎作・川崎のぼる画)など、“スポ根”ブームを担った作品とは、やや時代が異なる。