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久保建英からの“Kサイン”で取材殺到に「多少の悔しさ」… 山田康太がJ2山形でオーストラリア人恩師と目指す「なんでもできる選手」
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/08/05 11:01
山田康太もまた、日本サッカーを担う有望株の1人である。彼自身のプレーにも注目してほしい
プロフットボーラーへの質問にしては不躾なものも多く…
「親交のあるタケが決めたりして、すごく嬉しいです。あのポーズは、嬉しいというより、恥ずかしいというか。知り合いから連絡がきたりするので、タケにはちょっと控えてね、と言っています」(Kサインについて)
「アンダー世代の代表で一緒になって、その後にマリノスでも。特に波長が会うというわけではないです。歳が近くて、一緒に自主練したり、ご飯に行ったり、それくらいです」(いきさつについて)
「最初はめちゃめちゃ生意気というか、片付けもしなかったり(笑)。マリノスは厳しいし、当時は中澤佑二さんら偉大な先輩がいたのに、先に帰ったりしていて。タケ、やんなきゃまずいよって。でもそこからすごく変わって、マリノスで人間味が出たと思います」(初対面の印象について)
ただ、「Kサインはこれまでに何回されましたか?」とか、「想像の範囲でいいので、あのポーズの意味合いを教えてほしい」とか、どう考えても久保本人にしか分かりえない質問には、「タケ本人に訊いてもらえれば。僕じゃなくて」と応じていた。
いくら久保が有名だからといって、同じプロのフットボーラーに尋ねる質問にしては、あまりにも不躾に感じた。
武者修行先で恩師と再会し、飛躍を遂げている
山田康太は今季、キャリア最高のシーズンを送っている(23試合4得点3アシスト)。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、クラブからも期待されている存在ながら、「試合で自分を表現したくて」、昨季から武者修行のローン生活を決断。昨年は水戸ホーリーホックでコンスタントに出場し、今季は山形で全試合に先発している。
そして過去に所属元で世話になったピーター・クラモフスキー監督とモンテディオで邂逅し、ナンバー10の位置を任され、さらに飛躍を遂げている。6月にはツェーゲン金沢戦で見事なミドルシュートを沈め、J2月間ベストゴールに選出された。久保のこと以外にも、彼に訊きたいことはたくさんある。