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決めればメダル、外せば4位… リオでは“出場権もなかった”アーチェリー男子団体が「最後の1射」を放つまで
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTakuya Matsunaga/JMPA
posted2021/07/27 17:02
アーチェリー男子団体の3位決定戦は大接戦となり、その重圧を乗り越えた日本代表の3人は喜びを爆発させた
「この3人でメダルを獲れたことがうれしいです」
武藤、河田はともに24歳。若い選手たちが代表に加わったことを、古川は「選手層はたしかに厚くなっています」と語っている。それはチームの底上げを示している。地力のたしかさは、準決勝で屈指の強豪である韓国とシュートオフにもつれこむ接戦を演じたことからもうかがえる。
そして国内ではライバルにあたる彼らは、代表となったあとは合宿を繰り返すなどして、「チーム」として結束してきた。敗れた韓国戦のあと、「この調子で」と切り替えられたのは、チームワークにほかならない。
「この3人でメダルを獲れたことがうれしいです」(古川)
また、2017年には日本代表コーチにアーチェリー屈指の強豪である韓国の金相勳が就任。ロンドン五輪女子団体銅メダルのメンバーである早川漣らを育てた手腕が代表にもたらした力もメダルにつながっているだろう。
大会は終わっていない。このあと個人戦が控えている。培った成果を見せる舞台はまだある。
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