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「怖い技から逃げない」16歳中山楓奈が語っていたスケートボードの魅力とは?「明日もスケボーに乗りたい」から始まった銅メダル
posted2021/07/27 11:06
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Naoya Sanuki/JMPA
26日に行われたスケートボード女子ストリートで、16歳にして銅メダルを獲得した中山楓奈(ふうな)。ロングヘアーをなびかせ颯爽と滑り切った彼女は、金メダルを獲得した13歳・西矢椛(もみじ)とともに東京五輪から正式種目となった新競技で、歴史的快挙を成し遂げた。
その中山がスケートボードを始めたきっかけは、地元・富山にスケートパークが出来たことだったという。
「ちょうど9歳か10歳の時。父が昔、少しスケートボードをやっていたこともあり、連れて行ってもらった。スケートパークに行って楽しかった。明日もスケボーに乗りたいと思ったことが最初です」
今年、彼女に話を聞いた時はまだ15歳。高校入学前だった。
口数は多くはなく、物静かで冷静。本人曰く、国内メディアからの取材に慣れていないという。
「16歳で迎える東京五輪。16歳の目標は東京五輪の舞台に立つこと。でも、まだ五輪の舞台に立つ自分を想像できない」
遠慮気味に語っていたものの、その五輪の舞台に立つだけではなく、終わってみれば転倒を恐れぬ積極的な滑りを見せ、表彰台に立ったのだ。
「周りはライバルだらけ」
現在、高校1年生の中山はスケートボードを始めてたった4年余りで全日本チャンピオン、そして6年で五輪メダリストに輝いたことになる。
「私の周りはライバルだらけ。憧れている選手も多くいる。強い選手はたくさんいると思います。でも、とことん練習に取り組み、練習して、練習した選手が勝つ世界だと思います」
自分が練習していない間に他の選手に追い抜かれていくのがスケートボードの世界。そう話す彼女の眼光は鋭く、迫力を感じたた。やるべき練習を終えなければ家に帰してくれないこともあった父、そして母はとにかく好きなスケートボードを頑張りなさいと言い続けてくれた。