久保の鮮やかなゴール、冨安のスタメン復帰は……

　南アフリカは後半勝負を考えていたようだ。前半は引きこもっていた彼らが後半に入ると前線に人数を残し、得点への色気を見せ始めた。カウンターを狙っているのは明らかだったが、スペースが生まれるのは、日本にとっても願ったり叶ったりの状況だった。

　ファーポストに当ててネットを揺らした71分の久保のゴールは「しっかり練習していますし、量は裏切らない」と自画自賛の素晴らしいものだったが、焦れずに相手の攻撃を封じ込めた守備陣も最大限に労いたい。

「しっかりリスク管理しながらゲームをコントロールできたので、それが1－0という結果に繋がったと思います」と谷は胸を張った。

　幸先の良いスタートを切った一方で、残念なニュースもある。

　南アフリカ戦の前日練習で公開された15分間は元気な姿を見せていた冨安健洋が非公開となってから左足首を痛め、南アフリカ戦ではベンチ外になったのだ。

「次の試合に出られるかどうかは経過観察をして、痛み具合やコンディションを見て決めたいと思っています。今は、いつまでに戻るとか、そうしたことをお話しできる状態ではなく、次の試合も可能かもしれないというところであります」

　森保一監督はそう明かしたが、中2日という試合間隔を考えれば、メキシコ戦でいきなりスタメンに復帰するのは難しいのではないか。

スペイン戦での冨安（左）。南アフリカ戦では板倉がCBに入った©Getty Images

上田は回復したが、三笘や堂安も本調子ではない

　6月22日の代表メンバー発表直後に軽い肉離れを起こした上田綺世はなんとか回復して南アフリカ戦で途中出場を果たしたが、川崎フロンターレの一員としてAFCチャンピオンズリーグに参戦した三笘薫は右太腿を痛め、代表チームに合流後、しばらく別メニューでの調整が続いた。今はようやくゲーム形式の練習に参加できるまでに復調したが、南アフリカ戦ではベンチから外れている。

　堂安もかかとを痛め、7月19日の練習は軽くジョギングしただけで切り上げた。本人はその日の夕方に「まったく問題ない」と語ったが、南アフリカ戦でのパフォーマンスを見ると、まだ本調子ではなさそうだ。

　そして、ここに来て冨安までもが離脱した。

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