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全身スーツが話題に ドイツの20代体操選手に聞く“性的画像問題”「自分が自分の体をどう感じるかという問題とは少し違う」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2021/07/24 11:02
今年4月の欧州選手権で、ドイツの女子選手たちが着用した”全身スーツ(ユニタード)”が話題となった
果てしない喪失感は、年末まで続いた。だが、2021年を迎えると気持ちは切り替わったのだという。
「年が変わって、あ、今年東京五輪があるんだって気づいたんです。そうしたらなぜか吹っ切れました」
五輪反対論については、もちろん耳に入っている。
「私は、今回の五輪には2つの側面があると思っています。一つはアスリートが大きな夢を持ち、一生懸命努力をして目指してきたという側面。でも一方で、パンデミックがある。でも、これは日本だけでなくて世界が共通で抱えている問題です。両方の立場を理解しています。日本の人はパンデミックを怖がっているようですが、必要以上に怖がらなくて済むようになればと願っています」
21歳初出場「金メダル? もちろんそう言いたいけど…」
一方21歳のフォスは、五輪初出場。その舞台に立てることに喜びと感謝を口にする。
「オリンピックは幼い頃からの夢でしたから、とても嬉しいです。日本でオリンピックが実現するために最善が尽くされたことをとても嬉しく思います。私たちはドイツで1週間合宿を行い、日本で2週間合宿をします。そのあと選手村に入ります。これまでのオリンピックのように他の種目の選手とも交流したりできないかもしれないし、大勢の観客の前で演技することはできないけれど、開催されるだけでラッキーで幸せなことです。これはこれで新しい経験だと思います」
二人はそろって、五輪に出場する素直な喜びを口にしてくれた。
目標はとても現実的だ。フォスは言う。
「団体戦でベスト8に入ることと、個人では全種目で決勝に進むこと、個人総合で20位以内に入れればそれで大きな成果となると思います。金メダル? もちろんそう言いたいところですが、これが現実的な目標です」
リオ五輪では段違い平行棒4位、団体でも6位入賞を経験したザイツも気負いはない。
「一番の目標は試合を楽しむことです。ストレスを感じすぎると、うまくいかないことがわかっているので、まずは自然体であることを心がけています。それに、ドイツ代表として再びオリンピックに参加できることがとても嬉しいです。今はただワクワクしています」