“魔裟斗、武尊を輩出した男”が太鼓判を押した

　KNOCK OUTの宮田充プロデューサーは、sasori戦を見て“他団体出撃”にゴーサインを出した。

「進化を見せてくれている。場合によっては違うリングに乗り込んでいってもいいでしょう。強くなってほしいし、いいカードを組んであげたい。もっともっとデカくなる選手だと思います。試合で納得させられました。凄いことです」

　宮田氏は、かつて全日本キックボクシングで数々の名勝負をマッチメイク。立嶋篤史や魔裟斗、小林聡らを世に出した。“打倒ムエタイ”に邁進する選手をバックアップし、団体としてタイ遠征も。

　かと思えばムエタイとは価値観の違うKrush、新生K-1を立ち上げて軌道に乗せてもいる。そこから生まれたのが武尊だ。常に選手を育成する時期、勝負をかける時期、噛み合う相手と噛み合わない相手を見極めて抜群のカードを組んできた。

　那須川天心の武尊への対戦アピールを受け付けなかった“K-1陣営”の人間というイメージを持つ格闘技ファンもいるかもしれない。しかし基本的には柔軟な発想の持ち主。リスクのある勝負をし、その結果がどう出てもファンの興味を次につなげるマッチメイカーだ。試合を終えた夜、負けた選手にどんな再起の道を作るかを考えるのが好きだと言う。

　成長を続けるぱんちゃんの試合を組むのが“魔裟斗、武尊を輩出した男”だというのは、彼女にとって大きな強みだ。宮田氏が“勝負どころ”と踏んだのなら、そのキャリアはこれからさらに面白いことになる。

「他の選手とは違う、凄い舞台を見せたい」

　一夜明け会見でぱんちゃんはそう言った。確かにそれができると見る者に感じさせたことが、sasori戦の最大の成果だった。

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