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「塁がファーストオプション」渡邊、エドワーズらが語る、エース八村の最高の“生かし方”とは? オリンピックで“格上”相手に日本が勝つための〈3つのポイント〉
posted2021/07/24 11:01
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
JIJI PRESS
“We are on the same page”
直訳すれば「僕らは同じページの上にいる」。ビジネスシーンでも、チームスポーツの世界でもよく使うそんな表現である。これは、みんなが『共通理解』をもって、1つのプロジェクトやゴールに向かって取り組んでいるということを確認し合うための合言葉だ。
今のバスケットボール日本代表は「自分の役割を知り、行動する」という『共通理解』のもとに一丸となっている。
バスケットボールでは、相手チームの誰かにテクニカルファールが宣告されると、フリースローが与えられる。通常のファール時と違い、このときに与えられるフリースローは誰が打っても良い。サッカーのPKのようなものだ。
7月18日、オリンピック前最後の試合となったフランス戦の第3Q(クォーター)。相手選手にテクニカルファールが宣告された。
その直後、フリースローラインに立ったのは、渡邊雄太だった。
難なくこれを決めた渡邊が振り返る。
「誰が打つとかは決められてはいないんです。だけど、僕がコートに立っているときには、僕が打ったほうが良いのかなと思っているので。僕の独断で、フリースローラインに立ちました」
篠山竜青のキャプテンシーを引き継ぎ、自分がチームを背負う。そんな覚悟はチームメイトを鼓舞する声や行動だけではなく、一つのフリースローにも表われていた。
なぜ日本はフランスに勝てたのか?
八村塁と馬場雄大。合流が遅れていた2人が加わって、12人のオリンピック参加メンバーがようやく揃った。その上で臨んだのが、本番前最後となる2つの強化試合だった。そこでベルギーとフランス相手に2連勝を飾った。特筆すべきは、国際バスケット連盟(FIBA)のランキングで7位につけるフランスを下したこと。彼らは2年前の中国W杯で3位に輝いた強豪である。
たしかに、相手のコンディションが万全ではなかったこと、前半はあきらかに油断をしていたことなど、いくつかの幸運にも助けられた。
それでも、日本にとっては大金星だった。日本はランキング42位の国だからだ。フランスが躍進した2年前のW杯では5戦全敗で、32カ国中で31位だった。
日本代表の何が変わったのだろうか?