核心にシュートを!BACK NUMBER
「だから、ここがラストチャンス」30歳でブンデス1部復帰… 原口元気が評価を上げられた秘密とは《単独インタビュー》
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYuki Suenaga/Getty Images
posted2021/07/10 17:05
昨季ハノーファーで活躍した原口元気。30歳となった新シーズン、さらなる飛躍を果たせるか
「僕と分析官の間で『サポート』と呼んでいる、良いプレーをするためのパスを受ける形が何種類もあります。『サポート』というのは、味方からパスを受けられるように動くこと。そのときのピッチの敵と味方の状況を認知しながら、調整する感じです」
「ポジショニング」という一言で表せないような
――具体的にはどのようなものでしょう?
「例えば、バイタルエリアでパスを受けるために、最適な場所を見つけるのもその一つで。バイタルエリアなどでは、パスを受けようとするポイントが1メートル手前でも、1メートル奥でも相手選手につかまってしまうような状況があります。だから、相手につかまらないような位置でありつつ、味方がパスを出せる場所とタイミングはどこなのかを考えて、ポジションをとります。
例えば、ゴールを決めた(1月24日の)ニュルンベルク戦なども、当初考えていたパスを受ける形をやめて、相手のセンターバックから少し離れつつ、相手のボランチが前に出ていたために空いたスペースにボールを引き出す形でパスを受け、ゴールを決められた。『ポジショニング』という一言では表せないような、良い判断を伴ったプレーができました」
「身体の向き」と「状況認知」を何度も
――シュートを打つ前の判断がゴールにつながると?
「ボールをもらうまでの判断がすごく良くなったので、ミドルが入ることも多かったんでしょうね。どうすればペナルティーエリアの外でフリーになれるか。そこをつきつめて練習してきたから。それを細かく語り始めたら、メチャクチャ時間がいりますけど(笑)」
――それは良いシュートを打つための取り組みなのでしょうか?
「いや、あくまでも、良いプレーをすることが目標なので。だから、地味に見えるサイドチェンジをしても、分析官からは『素晴らしい』と褒められることもあります。何度も言われたのは、『身体の向き』と『状況認知』について。その上で、相手の背後をとるにはどうしたらいいのかなど、応用がある感じです」
――2部リーグにいながら1部のウニオンへの移籍を勝ち取ったのも、パフォーマンスを認められた手応えが?