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アスリート世界1位の“年収197億円”でも“絶体絶命”「最強の問題児」マクレガーが挑む因縁の相手・ポワリエとの“決着戦”の行方は? 

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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posted2021/07/10 11:04

アスリート世界1位の“年収197億円”でも“絶体絶命”「最強の問題児」マクレガーが挑む因縁の相手・ポワリエとの“決着戦”の行方は?<Number Web> photograph by Getty Images

3度目の対戦となるジャスティン・ポワリエ(左)とコナー・マクレガー(右)

 その後、一時UFCの闘いから遠ざかり両王座は剥奪となったが、代わりに2017年8月、ボクシング世界5階級を制覇したフロイド・メイウェザーとのボクシングルールでの“世紀の一戦”が実現。10ラウンドを闘いTKO負けを喫したが、初のボクシングルールで無敗のパウンド・フォー・パウンド王者と渡り合ったことで評価を上げ、さらに1億ドル(約110億円)近いファイトマネーを獲得した。

 これによって超セレブファイターとなったマクレガーは、2018年10月、2年ぶりにUFCに復帰。いきなり無敗のロシア人王者ハビブ・ヌルマゴメドフの持つUFC世界ライト級王座に挑戦したが、4ラウンド、ネッククランクで敗れ王座返り咲きはならず。

 19年3月にはSNS上でMMAからの引退を表明したが間もなく撤回し、2020年1月、1年3カ月ぶりにUFCに復帰。UFC最多勝利記録を持つドナルド・セローニを左ハイキックからのパウンドで秒殺TKOし、その実力が健在であることを見せつけた。

UFC本格復帰に立ちはだかったのが、ポワリエだった

 その後、再びMMA引退を表明していたがそれも撤回し、今年1月にUFC本格復帰をあらためて宣言。そこに立ちはだかったのが、今回の対戦相手でもあるダスティン・ポワリエだった。

 マクレガーとポワリエは2014年9月、両者がまだ若手の成長株だった時代に初めて対戦。その時は、マクレガーが1ラウンド1分46秒、左フックからのパウンドでTKO勝利。この試合が、マクレガーにとってはいわば出世試合となり、この2試合後、チャド・メンデスを破りUFC世界フェザー級暫定王座を獲得。2階級同時制覇王者に駆け上がるきっかけとなった。

 一方、ポワリエもマクレガー戦の敗北を機に階級を上げ、ライト級に転向。2017年からはアンソニー・ペティス、ジャスティン・ゲイジー、エディ・アルバレスという元王者&タイトル戦経験者相手に3連続フィニッシュ勝利、3連続ポストパフォーマンスボーナス獲得。さらに19年4月にはUFC世界フェザー級王者(当時)のマックス・ホロウェイを大激闘の末に判定で破り、UFC世界ライト級暫定王座を獲得した。

 しかし19年9月、ハビブ・ヌルマゴメドフとのライト級王座統一戦では、3ラウンド、リアネイキッドチョークで敗れ、正規王座獲得はならなかった。それでも昨年6月、ダン・フッカーに判定勝利を挙げ再起。今年1月のマクレガーvs.ポワリエは、両者ともにヌルマゴメドフ戦で敗れてから再起し、再び頂点を目指す立場同士での一戦だったのだ。

【次ページ】 ポワリエ陣営がどんな“秘策”を持ってくるか

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