ラグビーPRESSBACK NUMBER
【ラグビー】負けられなかった敵将「日本は10位より、だいぶ上」“厄介ぶり”を証明したジェイミージャパンが得た自信と課題
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph byGetty Images
posted2021/07/06 11:04
代表初スタメンSH齋藤直人はトライをマークするなど奮闘。試合後はすぐに反省の口にし、今後の成長に生かすことを力強く誓った
だが、一方で最終的に競り負けるという試合が多いチームでもある。
ワールドカップを軸とする4年サイクルの中間年での強豪国との試合では、接戦・健闘・興奮というキーワードが並ぶ。常に観衆を沸かせ、中立ラグビーファンであれば誰もが応援したくなるような戦い方がチームカラーとして定着してきたが、2016年からの3年間を見れば、2019年ワールドカップの大舞台で勝利したアイルランド代表、スコットランド代表を相手にそれぞれ2戦2敗とやられている。
着実にフィジカルは向上するものの、世界と対峙した際にはどうしても軽量級としての戦術を迫られるため、体重を使ったゴリ押しや肉弾戦を連続して挑まれるとディフェンスに綻びが出ることも多い。この世に完璧なディフェンス戦術など存在しないが、その弱点を最小化する術は今後も引き続き、探し続けなければいけない。
ジャパンはいま、“準備”の過程にいる。勝敗よりも大切なことは強豪国とのマッチメイクで何を学び、どう強化につなげるか、である。
4年に一度の大舞台で必ず結果を残す集団――そんな新しいチームカラーをブレイブ・ブロッサムズの新しいDNAとして加えていければ、世界の目が一層厳しくなる2023年でも、またやってくれるかもしれない。