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武豊、サイレンススズカの死に「泣きながら酒を飲み、人生初の泥酔をした」 知られざる“天才騎手”の素顔とは? 

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小川隆行

小川隆行Takayuki Ogawa

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photograph byフォトチェスナット

posted2021/07/09 11:00

武豊、サイレンススズカの死に「泣きながら酒を飲み、人生初の泥酔をした」 知られざる“天才騎手”の素顔とは?<Number Web> photograph by フォトチェスナット

大差で逃げ切り勝ちをした1998年金鯱賞は伝説のレースとなった

 入場門をくぐる際に「え、競馬場ってこうやって入るんだ、初めて知った」と少年のような声で語る。競馬場内の酒場でつまみのタコ天を「パドックから場内に入るときに、いい匂いが漂ってくるんです」と語りつつ、口に運んで「美味しい!」と喜ぶ。場内の個室で馬券を買う前に「競輪や競艇が好きで専用のバッグを持ってきます。札束をパンパンにして帰ります。実は競馬の買い方、あまり知らないんです」と一般ファンのような冗談を飛ばす。

 スタートレースで3連単1着固定の馬が出遅れると「あ、出遅れた!」とファンのようなつぶやき。個室内の古い写真を見て「このころのオリビエ(ペリエ)は毛がまだある」とつぶやく。続くレースで出遅れた軸馬に乗っていた戸崎圭太を「出遅れた…勝った! 買ってる買ってる!」と大喜び。3連単万馬券を3千円的中させると「よかったわ、ゴールデンジョッキーに選ばれなくて。こっちのほうが楽しい」とお茶目な面を見せ、「戸崎ありがとー!今度おごるわ」とリップサービス。

 同番組史上、最高におもしろい“神回”だった。

「競馬を多くのファンに知ってほしい」という強い思い

 長くなったが、武豊とは「競馬を多くのファンに知ってほしい」を誰よりも感じている騎手だ。だからこそ、様々なメディアに積極的に協力するのだろう。現役引退まであとどれぐらいかわからぬが、できることなら彼にサイレンススズカのようなお手馬が現れ、「もっとも勝ちたいレース」凱旋門賞を制して欲しいものである。

(【キタサンブラック編】350万が18億に…“格安だった”キタサンブラックを北島三郎はなぜ買った?「これほど勝つ馬になるとは」

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小川隆行(おがわたかゆき)

1966年生まれ。牡55。競馬ライター&編集者。中山競馬場の近くで生まれ育ち、競馬場から徒歩5分の高校で競馬に目覚め馬券買いを始めダイナカールに恋をする。拓殖大学卒業後、競馬雑誌編集者になり数多くの調教師、騎手、厩舎関係者、競馬予想家に取材を重ねてきた。主な著書に『アイドルホース列伝 1970-2021』(星海社)などがある。

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