Beyond The GameBACK NUMBER
親愛か癒着か。スポーツ記者今昔。~大関と私的に酒席を同じくするということ~
posted2021/07/02 07:00
text by
藤島大Dai Fujishima
photograph by
KYODO
食い込む。食い込んだ。ずっとスポーツ記者の勲章とされてきた。
取材対象の懐にもぐり、なんとか頭をつけ、まわしをつかんで、気軽に言葉を交わす関係となり、こんどは自分の懐にニュースを引き入れる。たとえば現役の大関と私的に酒席を同じくできたら腕は確かだ。
6月12日。静岡の愛野駅からラグビー取材のスタジアムまで歩く途中、同業者が言った。
「けさのスポニチ、読んだ? あの記者、解雇だって。紙面に載ってた」。あら、そうなのか。
以下、同社のお知らせ。
「緊急事態宣言下において大関・朝乃山関と深夜に会食していた件で東京本社編集局元記者(44)=同日付で東京本社付=を諭旨解雇処分としました」