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宝塚記念はレイパパレに期待? 無敗の牝馬の好材料2つと、ルメールが「勝てると思う」と語るクロノジェネシスの不安要素
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/06/26 17:02
昨年の有馬記念を制したクロノジェネシス。人気をレイパパレと二分することになりそうだ
無傷の6連勝レイパパレは「最高のコンディション」
僅差の2番人気になりそうなのが、無傷の6連勝でここに来たレイパパレ(牝4歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)だ。
前走の大阪杯では、前年の三冠馬コントレイル、短距離・マイル界を圧倒的な強さで制圧したグランアレグリアといった強豪を相手に4馬身差で圧勝。GI初制覇を遂げた。
コントレイルは、重馬場だった大阪杯の疲れが抜け切れず、この宝塚記念を回避することになったのだが、それだけタフな馬場を走ったあとでも、レイパパレの心身に特にダメージはなかったようだ。
その大阪杯を勝ったときと同じく、レースの17日前に放牧先から帰厩。1週前追い切りは坂路で併せ馬、レース週の追い切りは坂路で単走というパターンも前走と同じだ。
高野調教師があえて「成功体験」を意識し、同じリズムで仕上げているのだ。「大阪杯より上積みがある。現状で考え得る最高のコンディション」と、こちらも絶好の状態で臨んでくる。
重賞未勝利のカレンブーケドールは安定感がある
上位2頭から少し離れた3番人気になると思われるのが、重賞未勝利ながら、GIで2着3回という実績を持つカレンブーケドール(牝5歳、父ディープインパクト、美浦・国枝栄厩舎)だ。
GIだけではなく、相手のレベルが下がっても2、3着が多く、通算成績は15戦2勝2着7回3着3回着外3回。着外といっても、一昨年のクイーンカップと昨年のジャパンカップでの4着、有馬記念での5着だから、非常に高いレベルで安定していることがわかる。
明らかに距離が長かった前走の天皇賞・春で、果敢に先行し、3着と好走。牝馬が3200mの天皇賞で複勝圏内に来たのは、83年秋2着のカミノスミレ以来38年ぶり、春では55年2着のセカイイチ以来、実に66年ぶりのことだった。
今回も大きく崩れることはないだろう。