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稲葉監督が侍ジャパンを“オールアマ”で選んだら? 秋のドラフト候補もいる要注目の24名を独自選考【野茂や古田もオリンピアン】
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph byKYODO
posted2021/06/28 11:02
かつてはアマチュア選手にとって最高の舞台と呼ばれていた五輪。現在活躍する社会人、大学生から24名を選んでみた
※以下、リストは全て今年度到達する年齢を記載
《先発》
大野亨輔(三菱重工East・28歳)
相馬和磨(日本通運・27歳)
片山皓心(Honda・23歳)
隅田知一郎(西日本工大・4年)
金村尚真(富士大・3年)
先発投手の中心で計算しているのは大野、相馬、片山の社会人3人。
大野はスピードこそ140キロ程度だが、コントロールと投球術に関しては間違いなくアマチュアでも1、2を争うレベル。国際舞台の経験も豊富で、投手陣のリーダーとしても期待できる。
相馬は現在最も脂が乗り切っていると言える社会人サウスポー。巧みにボールの出所を隠すフォームで打者はタイミングをとるのが難しく、ここ一番ではストレートも140キロ台中盤をマークする。社会人5年目で今年27歳となるが、プロのスカウト陣からはいまだにドラフト対象との声も聞こえてくる。
片山はルーキーながら昨年の都市対抗優勝チームのHondaで早くもエースとしての活躍を見せているサウスポー。ストレート、変化球、コントロール全てが高レベルでしっかり試合を作ることができる。中盤以降にその日の最速をマークすることが多く、スタミナも十分だ。
大学生の隅田と金村も高い制球力を備えた先発タイプ。隅田はスライダーとチェンジアップ、金村はカットボールとフォークと決め球となる変化球のレベルも高く、奪三振率の高さも魅力だ。
速球派中心の中継ぎ陣
《中継ぎ》
小松貴志(日本新薬・28歳)
鈴木大貴(TDK・24歳)
横山楓(セガサミー・24歳)
椋木蓮(東北福祉大・4年)
佐藤隼輔(筑波大・4年)
《抑え》
廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ・24歳)
中継ぎ陣は小松以外の4人はスピードタイプを揃えた。
鈴木、横山、椋木の3人は150キロをマークすることも珍しくなく、それでいて四球で自滅することもない。鈴木は変則フォーム、横山は緩急の使い方、椋木は小さい変化球とそれぞれ異なる武器を備える。
佐藤も先発では140キロ台中盤だが、短いイニングでは150キロ近いスピードをマークすることも珍しくない。一昨年の日米大学野球でもリリーフで結果を残しているのは心強い。一方の小松もスピードはないものの、多彩な変化球とコントロールで安定感は抜群。今年もチームでは抑えとして見事な働きを見せている。
また、外野手で選んでいる矢澤宏太(日本体育大・3年)も二刀流として左のリリーフとして起用したい。
そして抑えを任せたいのが社会人ナンバーワン右腕の廣畑だ。コンスタントに150キロを超えるストレートは威力十分で、カットボール、フォークなど変化球のコントロールも安定している。先発としても安定感はあるが、ここ一番で三振を奪うことができ、リリーフとしての適性は高い。安心して抑えを任せられる投手と言える。