大山加奈のVolleyball is Life BACK NUMBER
腹筋すらできないのに…双子の母になった大山加奈が実感する“復帰するアスリート”のスゴさ「絵里香、さくらちゃんを尊敬する」
posted2021/06/21 11:01
text by
大山加奈Kana Oyama
photograph by
Miki Oyama
出産し、二児の母になりました。
2586gの長女と2606gの次女。1分差で出てきた双子の我が子の産声を聞いた瞬間、「やっと会えた」とただただ嬉しくて、涙が止まらず、「かわいい、かわいい」としか言葉に出きませんでした。
妊娠や出産は、私には無理なんじゃないかと思うこともありました。そのせいか今でも「本当に私が産んだのかな」と信じられない気持ちで、母になった実感は半々。授乳とオムツ替えの繰り返しで、1日、1週間が過ぎるのはあっという間ですが、とにかく「この子たちを元気に育てたい」と必死に毎日を過ごしています。
妊娠、出産という初めての経験は学ぶことばかりで、改めて気づかされることばかり。今はまさに、さまざまな変化の真っただ中にいます。
情報は自分で求めなければいけない
現役選手だった頃は、自分から積極的に情報を求めなくても、トレーナーさんなど専門のスタッフが必要なことを教えてもらえる環境でした。引退してから「恵まれた環境だった」と思うことは何度もありましたが、妊娠、出産、育児を通して、情報は自分から求めなければ入ってこないということを改めて実感しています。
たとえば、私の居住地域では妊娠、出産、育児に対する支援の一環として『産後ドゥーラ』という家事、育児支援サービスがあります。産前産後を支えるための知識と技術を習得、認定を受けた専門家が、申し込みをした家庭に赴き支援してくれる公共サービスです。
私は17年に母を亡くしており、ましてや産まれてくるのは双子。妊娠中から、1人さえも育てたことがないのに同時に2人も育てられるのかと不安ばかりが募り、夜泣きしたらどうしようとか、考えれば考えるほど余裕がなくなっていきました。
産まれてからも、赤ちゃんに何を着せればいい? 部屋の温度は? とインターネットでひたすら調べる毎日。だから専門知識を持った方々がサポートしてくれるのは本当にありがたい。しかも公共サービスなので助成金の対象でもあり経済的。本当に素晴らしい取り組みなのですが、出産前に保健所へ行き、渡された資料を見るまでこんな支援事業があることすら知りませんでした。