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歴代の“守備職人”が徹底解説! バレー男子代表リベロに山本智大が選ばれた理由とは?「今の日本には石川と高橋がいる」

posted2021/06/27 17:02

 
歴代の“守備職人”が徹底解説! バレー男子代表リベロに山本智大が選ばれた理由とは?「今の日本には石川と高橋がいる」<Number Web> photograph by Takahisa Hirano

東京五輪メンバーに選出された山本智大。選ばれた理由を探ると、日本がやろうとするバレーも見えてくる

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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Takahisa Hirano

 近年にないほど熾烈なチーム内競争を経て、6月21日、東京五輪に出場する男子バレー日本代表12名が発表された。アウトサイドヒッター、ミドルブロッカー、セッター、リベロ。すべてのポジションで「あと1枠あったら」と嘆きたくなる選手がいることは、男子バレー日本代表の戦力が充実している証でもある。

 来る五輪本番に向け、どんな戦力、戦術で臨もうとしているのか。注目したい、してほしいポイントはいくつもあるのだが、あえて1つ挙げてみる。リベロだ。

 12名のうち、ただ1人しか選ばれない「守護神」と称されるポジション。自ら得点を取ることはできず、派手なフライングレシーブで会場を沸かせることはあっても、スパイクやブロック、サーブポイントで雄たけびを上げる他のポジションからすれば、いささか地味に映る。セッターが野球のキャッチャーやバスケットボールのガードにたとえられるのに対し、リベロは? と考えてもなかなか浮かばない。

 ならば聞いてみよう。リベロの役割は何ですか。

リベロは「引き立て役」

 いたってシンプルで、まるでバレーボール教室のような質問に答えてくれたのは、Vリーグでサーブレシーブ賞とベストリベロをそれぞれ6度受賞し、昨季限りで現役を引退、現在は株式会社エフピーデポで金融コンサルタントに転身した古賀幸一郎氏だ。現在の日本代表に当てはめ、「リベロの役割」を古賀氏はこう説く。

 「引き立て役ですよね。今の日本代表で軸になるのは間違いなく石川(祐希)選手。バレーボールは相手より多く得点を取らなければならないスポーツで、そのために一番有効的な手段がスパイクである以上、西田(有志)選手と共にポイントゲッターとなる石川選手をいかにストレスがない状況でプレーさせるか、いかにカバーしてあげられるかがリベロの役割。そこは日本が勝機を見出すためのポイントでもあるはずです」

【次ページ】 ストレス軽減もリベロの役目?

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