大山加奈のVolleyball is Life BACK NUMBER
腹筋すらできないのに…双子の母になった大山加奈が実感する“復帰するアスリート”のスゴさ「絵里香、さくらちゃんを尊敬する」
text by
大山加奈Kana Oyama
photograph byMiki Oyama
posted2021/06/21 11:01
妹・未希さんらのサポートを得ながら、子育てに励む日々を過ごす大山加奈。母となったことで、スポーツをする環境づくりへの思いをより強くした
実際、まだまだ認知度が低く、ドゥーラさんにも限りがあるため、予約も殺到しています。特にコロナ禍で里帰り出産がかなわなかったり、親御さんの助けを借りられず、産褥期で本当に大変なお母さんが同じサービスを受けられているかと言えばきっとそうではない。私の場合、近くに住んでいる妹夫婦がサポートしてくれることや、双子共々お風呂に入れればそのまま寝てくれる手のかからない子どもで、出産前の不安が嘘のように恵まれた環境です。
それでも2人が産まれて家に戻った直後は、寝ている顔を見ながら「息をしているかな」と心配になったり、一瞬でも目を離すのが怖くてトイレに行く時間を削るために、水分を摂らないこともありました。
産まれて来てくれた我が子はとにかくかわいいですが、「かわいい、かわいい」だけでは子育てはできません。常に与えられる環境にいた経験があるからこそ、より一層知ること、必要な情報を自ら求めていくことの大切さを実感しています。
走る、跳ぶなど想像もできない
身体も変化しました。
出産までに体重は20キロ増量。もともと高身長の妊婦の双子なので16キロ増まではOKと言われていましたが、それでもプラス4キロ。出産の3週間前に切迫早産で急遽入院したため、病院食で体重もコントロールすることができましたが、あのまま自宅で出産直前まで過ごしていたら、と考えると本当に恐ろしい(笑)。
今は体重も戻ってきましたが、まだ腹部や骨盤、股関節は緩んだまま。出産から間もなく4カ月になりますが、未だに腹筋は1回もできず、起き上がることすらできません。
自分の身体が想像以上に変化して、実感したのは、出産を経て復帰を果たすアスリートがどれほどすごいか、ということです。
高校の同期でもある(荒木)絵里香は、妊娠中や産前、産後も近くで見てきて、ブロックジャンプで尿もれすると話していた時は「大変だね」と笑いながら聞いてきましたが、自分が妊婦になり、出産して、腹筋すら1回もできない今となっては、走る、跳ぶなど想像すらできません。
それは絵里香だけでなく、ほぼ同時期に出産したゴルフの(横峯)さくらちゃんも同じで、出産直前まで試合に出ていたうえ、つい先日には復帰戦に出場しました。今の私にはただただすごいな、としか思えず、どれほどの努力が必要だったのか、改めて尊敬することしかできません。