新刊ドラフト会議BACK NUMBER

『コーチングの哲学 スポーツと美徳』アリストテレスの言葉から考える、具体的で現実的な「善いコーチ」。 

text by

内田良

内田良Ryo Uchida

PROFILE

photograph bySports Graphic Number

posted2021/06/15 07:00

『コーチングの哲学 スポーツと美徳』アリストテレスの言葉から考える、具体的で現実的な「善いコーチ」。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『コーチングの哲学 スポーツと美徳』佐良土茂樹著 青土社 2640円

 哲学者の佐良土茂樹氏著の本書は、「人はみな祖父伝来のものではなく、善いものを求めている」というアリストテレスの言葉を指針として、美徳にもとづくコーチングのあり方を模索する。古代ギリシア哲学の専門家によるコーチング学の書であり、私なりに表現するならばスポーツ指導を「考えて実践する」書である。

 前半では、「美徳なきコーチングの時代」という今日的状況について、現状や概念の整理が行われる。後半では、「コーチK」ことマイク・シャシェフスキー氏(アメリカの大学で長年にわたって男子バスケットボール部のヘッドコーチを務めてきた人物)の取り組みが適宜紹介されながら、コーチングにおける「技能」、「思慮」、「人柄」、「関係性」の観点から「善いコーチ」のあり方が解説されている。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 642文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

他競技の前後の記事

ページトップ