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【棋聖戦で先勝】藤井聡太二冠は大一番だらけ、羽生善治九段は年間89局! 中村太地七段が語る“将棋のアスリート的な体力勝負”とは
text by
中村太地Taichi Nakamura
photograph by日本将棋連盟
posted2021/06/07 17:03
棋聖戦第1局を勝利した藤井聡太二冠
なお2日制に関しては現状オンラインでの開催はあるとはいえ、従来の前夜祭などがありません。それは藤井棋聖にとって比較的“これまでと同じ対局”という心境で臨める要因になっているかもしれませんね。
藤井棋聖のことですから、実際に通常の前夜祭があったとしても高校生とは思えないほどのしっかりとした受け答えをするかと思いますが(笑)。
とはいえ普段とは違うイベントがなく、なおかつ慣れ親しんだ将棋会館での対局も多い。それは将棋に集中できるという意味で、やはり大きいのかなと感じます。
頭の体力は、1日休めば回復する
さて通常のスケジュールを想定した場合、棋士はどのようなスケジュールで1週間を過ごしていくのか。私の場合だと……例えばですが、8月5日に順位戦に臨んだ(88手で村山慈明七段に勝利)のですが、その前後数日間はこのようなスケジュールでした。
前々日:オンラインでの研究会
前日:対局に向けた研究
~対局当日~
対局翌日:所用後、基本的には休養
対局翌々日:オンラインでの研究会
頭の体力については、私の場合は1日休めば回復する感覚があるので、その後から研究会などで棋力を磨いていきます。
話に聞いたところ、サッカーでも週1で試合をやる場合は翌日に身体を軽く動かして、オフに入るそうですね。
その後フィジカルや技術的なトレーニングをして、公式戦直前には相手を分析してシミュレーションをする。試合に臨むリズムを作るという意味では似ているのかもしれません。