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シェフチェンコ44歳がEURO2020最年少監督…“引退後の異常な歩み”とは ウクライナの若武者とダークホース候補に 

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杉山孝

杉山孝Takashi Sugiyama

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photograph byGetty Images

posted2021/06/07 17:01

シェフチェンコ44歳がEURO2020最年少監督…“引退後の異常な歩み”とは ウクライナの若武者とダークホース候補に<Number Web> photograph by Getty Images

ウクライナの指揮を執るシェフチェンコ。その歩みは“異常”とも言える

 5年前、ウクライナ代表がEURO 2016でグループステージ敗退に終わると、ミハイロ・フォメンコ監督は解任された。その後を受けたのが当時アシスタントコーチを務めていたシェフチェンコだ。

 それは、同国サッカー協会内の権力争いに巻き込まれたとも言われる船出だった。

ロシアW杯予選ではクロアチアと競った

 スタートでは躓いた。まず、タスクとして課された2018年ロシアワールドカップ出場は逃している。アイスランドが首位通過した予選グループで、難敵トルコを抑えたものの、勝ち点3差でクロアチアに2位を譲った。

 ただし、プレーオフに回って出場権をつかんだクロアチアの躍進を忘れてはいけない。その強敵を相手にしたW杯予選での経験は、ウクライナの「次」へとつながった。

 結果は雄弁だ。ロシアW杯後のネーションズリーグでは、見事Aリーグ昇格を果たした。翌2019年のEURO予選では、ネーションズリーグ初代王者のポルトガルを抑え無敗で首位通過を決めた。

 昨年はネーションズリーグでBリーグ降格を喫したが、チーム内に新型コロナウイルス感染者が出たことで不戦敗となったスイス戦が通常通り行われていれば、残留を果たした可能性は十分にある。また、初挑戦の同Aリーグで強敵スペインに唯一の土をつけたのがウクライナだったことも忘れてはいけない。

 シェフチェンコは、監督として何をしたのか。おそらく、引退後に経験した失敗を糧としたのだろう。

引退の数カ月後には国政選挙に乗り出した

 ウクライナの英雄は引退後の歩みも常軌を逸している。引退の数カ月後には母国の国政選挙に乗り出した。あえなく落選すると、次はプロゴルファー転身を試みる。残念ながら、こちらもサッカーほどの才能はなかったようだ。

 だが、失敗から学んだのだろう。選挙では、名参謀が欠かせない。サッカーも1人では戦えない。経験が不足しているのなら、なおさら助けが必要になる。

 代表監督就任にあたり、シェフチェンコは数人のコーチを招いた。

【次ページ】 ミラン黄金期の“あの男”が右腕に

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