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“18回敗れた男”福永祐一と3勝2敗“勢いのない”ワグネリアンは3年前の日本ダービーをどう制したのか? 

text by

平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2021/05/31 19:15

“18回敗れた男”福永祐一と3勝2敗“勢いのない”ワグネリアンは3年前の日本ダービーをどう制したのか?<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

2018年、福永祐一をダービージョッキーに導いたワグネリアン。人馬一体となったドラマこそ、人の胸を熱くする。

「喜びともまた違う気持ち」

 '12年にはワールドエースで1番人気に推され、翌'13年にはエピファネイアでゴール前抜け出し、'15年にはリアルスティールで2番人気の支持を得るなど、近年では毎年のようにチャンスが巡ってきた。

 しかし、残念ながらその度に苦杯をなめた。勝機をモノにすることは、ただの1度もなかった。その数、実に18度。「『一生勝てないのでは?』と思うこともあった」と言うのも頷ける。

 しかし、競馬の神様は彼の努力と真摯な態度を見ていてくれた。

「ダービーは特別と聞いていたけど、何だろう? 本当に違いました。喜びともまた違う気持ち。言葉に表せない……。何だろう……」

 こう言って唇を結んだ福永。18回の敗戦が言葉に表せない感情を生んだのかもしれない。新たなるダービー馬とダービージョッキーの今後にも期待しよう。

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