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“18回敗れた男”福永祐一と3勝2敗“勢いのない”ワグネリアンは3年前の日本ダービーをどう制したのか?
posted2021/05/31 19:15
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Kiichi Matsumoto
5月27日、12万超の観衆が見守る中、日本ダービーを制したのはワグネリアン(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)だった。
友道調教師は2年前のマカヒキ以来2度目の優勝、手綱をとった福永祐一にとっては通算19回目の挑戦で初めての制覇となった。
ワグネリアンに関しては当コラムでも取り上げている(2018年3月7日配信)。
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当時も記したがデビュー戦は2017年7月16日の中京競馬場。芝2000mのこのレースは前半67秒0という異例のスローペースとなり、ラスト3ハロンは11秒2-10秒9-11秒0の33秒1。これをワグネリアンは好位から32秒6という脚を繰り出して勝ってみせた。
2、3戦目は快勝も弥生賞と皐月賞では。
2戦目は同年9月16日、阪神競馬場芝1800mの野路菊S。雨で馬場状態は“重”の発表。デビュー戦でみせた瞬発力がこの馬場では役に立たないかと思われたが、終わってみれば33秒0の脚を披露。2着に2馬身半の差をつけて連勝を飾った。
3戦目は同年11月18日の東京スポーツ杯2歳S。重賞挑戦も初めてなら東京への輸送も初めてで、レース前には発汗がみられたが、結果的には過去2戦以上のパフォーマンス。2番人気に推されたルーカスを3馬身突き放し、単勝1.4倍の圧倒的1番人気に応えてみせた。当時、福永は「ダービーを狙える器だと感じている」と語ったものだ。
ところが、その後、様相は変わってくる。
今年3月の弥生賞。クラシック第一弾の皐月賞と同じこの舞台で、ワグネリアンは無敗馬対決に敗れてしまう。ここも快勝し4戦4勝となった昨年の2歳王者ダノンプレミアムから1馬身半、離されての2着に負けてしまったのだ。
こうして迎えたのがクラシック第一弾の皐月賞だった。ダノンプレミアムがザ石により回避したことで、1番人気に推されたが、後方からの競馬に。その結果、差を詰めたものの7着に終わってしまったのだ。